勝又悠監督の映画「いつかの、玄関たちと、」が、10月18日(土)より東京・テアトル新宿、神奈川・TOHOシネマズ小田原ほかにて全国順次公開。
同作品は、突然、絶縁状態だった姉が自分と同じ年の娘と共に現れたことで戸惑い葛藤する少女の成長と、その家族の深い愛情を描いた人間ドラマ。知らなかった家族と突然同居することになったことで戸惑う主人公・あやめをNMB48の藤江れいなが瑞々しくも繊細に演じる。両親と神奈川の山間の町・下村で暮らす大塚あやめ(藤江)は、ある日、家に帰ると姉だと名乗るすみれ(橘麦)に出迎えられる。姉がいたことに加え、自分と同じ年の姪・茉祐子(勝尾麻結奈)の存在と、2人が同居することを知らされ戸惑うあやめは、突然の出来事を急には受け入れることができず、複雑な心境に陥ってしまう…といったストーリー。
今回、少女の葛藤と心の機微を丁寧に演じた藤江にインタビューを敢行し、作品に込めた思いや撮影秘話などを語ってもらった。
――台本を読んだ感想は?
いつも最初に台本を読むときは、「(役柄と)どこが自分自身と重なるか」ということを意識して読むのですが、あやめは高校を卒業したら田舎の故郷を離れて都会に行くことが決まっているという設定だったので、(そういった経験がないため)「自分とあまりリンクするところはないのかな」と思っていたんです。でも、彼女の人間性に触れていくにつれ、なかなか自分の気持ちを素直に言えないところだったり、家族に対する思いが強いところ、家族の仲が良く絆が強いといったところなど、たくさんの共通点があるなと思いました。
――演じる上で気を付けたところは?
お姉ちゃんや茉祐子のことをなかなか受け入れられないあやめを演じる上で、本当はすごく優しい心を持っていながらも受け入れられないという心情を表すために、ずっと強気な気持ちでいることを心がけていました。2人を受け入れられずどんどん家族内で孤立していくあやめから少しでもゆるんだ表情が出てしまうと、彼女の心情が台無しになってしまうので。
――苦労したシーンは?
深夜にお姉ちゃんと会話をするシーンは大変でした。細かく小さないら立ちが積み重なって大きくなっていった心の溝が、お姉ちゃんの告白によって埋まっていき、心情が変化していくという大切なシーンなのですが、撮影では(姉役の)麦さんと何度もチャレンジさせていただいて、OKが出たときは思わず麦さんと抱き合いました。まだクランクアップは先だったのですが、お互い「本当にやりきった!」という思いから、そうなっちゃいました(笑)
――通学時のバスでは、いつも座る席が決まっていたあやめですが、AKB48グループの活動の中で移動車の席は決まっている?
グループ活動でのバスの席は、早い者順なので特に決まってないですね。先に乗った人から好きな席に座っていきます。たまにコンセントが脇についているバスがあって、わたしはそこに座るのに必死です! メンバー内でもその席は取り合いですね(笑)
――家族の絆がテーマの作品ですが、藤江さんの家族の絆を感じたエピソードは?
「AKB48 24thシングル選抜じゃんけん大会」のとき、数カ月前からウォーキングをしていたお父さんが、ウォーキングに行くたびに近くの神社にお参りしてくれていたことです。じゃんけん大会の後、一緒にウォーキングをしたときに知らされて、本当に感動しました。そのときに2位になれたのはお父さんのおかげです。
――最後にメッセージをお願いします!
この映画を見て、普段は当たり前に思っている家族の存在は特別なんだということを感じてもらって、改めてもっと家族を大切にしようと思ってもらえたらうれしいです。また、(舞台となっている)小田原を愛している監督だからこそ映し出されている街並みにも注目してください!
10月18日(土)より東京・テアトル新宿、神奈川・TOHOシネマズ小田原ほか全国順次公開
※初日舞台あいさつあり