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宮沢りえ&小泉今日子の違いとは!?「グーグーだって猫である」犬童一心監督インタビュー【前編】

2014/10/16 05:00

「連続ドラマW グーグーだって猫である」を手掛ける犬童一心監督にインタビュー!
「連続ドラマW グーグーだって猫である」を手掛ける犬童一心監督にインタビュー!

10月18日(土)にWOWOWプライムでスタートする、宮沢りえ主演ドラマ「連続ドラマW グーグーだって猫である」。原作は大島弓子の自伝的コミックエッセーで、小泉今日子主演の映画版('08年)と同じく、犬童一心氏が監督を務めている。今回は、今作でシリーズ構成も手掛けている犬童一心監督のインタビューを前後編に分けて紹介!前編では、ドラマ版と映画版の違いや、それぞれの主演である宮沢りえと小泉今日子の印象について語ってもらった。

―ドラマ化が決まった時の感想をお聞かせください。

「うれしいという気持ちもありましたが、一番は『本当に好きなことができるぞ』でした。もう誰にも何も言わせないで、好きなことをやるぞっていう(笑)。宮沢りえさんの主演で、大島弓子さんの原作でドラマを作れる。しかも吉祥寺で撮影して、その時はシナリオができていなかったけど、ストーリーラインはできていたから、好きなことができるシナリオを作ろうと思って。だから自然に楽しい気分でしたね」

―今回のドラマ版と、映画版との違いをお聞かせください。

「映画はどうしても2時間の中にいろいろな要素を組み込まなきゃいけませんが、ドラマは『全4話を見ていくうち、だんだん分かってくればいい』という考え方なので、気が楽なところがあります。舞台になっている吉祥寺についても、映画では吉祥寺の街をちゃんと見せるためにいろんな手立てを講じているんですけど、ドラマではあまり囚われずにやっていますね。撮る場所は『ココとココ』と決めていくんですが、あまり手立てを講じないで、だんだん吉祥寺という町のテイストが分かるように。4話あるので、原作の要素をちゃんと入れられるということもあります。田中泯さん演じるホームレスも、映画では入れられなかったけど、物語の重要な要素なので今回は入れているし。あとは、例えば宮沢さん演じる小島麻子は、子宮癌の手術で子宮を全摘出しているんですけど、映画では、それをそのまま病院の場面で描いたんですね。でも、違う見せ方でもその要素はちゃんと入れられたし、ドラマでは病院で一連の流れを見せるんじゃなくて、ユーモアの中で不意打ちのように見せる。原作でも深刻じゃなく描いてるので、そういった出来事がユーモアの中で現れてくる感じとか、そういう原作に近い感じもできましたね。自分の中では、原作にあったことを1つずつドラマなりにやっていったっていう感じがあります」

―映画版の小泉今日子さん、ドラマ版の宮沢りえさん、お二方はどんな違いがありましたか?

「一番違うのは、小泉さんは物凄い大島弓子さんのファンで、大島さんの漫画を全部何度も読んでいるんですよね。宮沢さんはそういうわけではないので、その違いは大きいと思います。小泉さんは、自分の中の大島弓子像が多分想像しやすくて、明確に『こういう人だろう』という下地がある人。宮沢さんは、そういうところからこの役にアプローチしていないというか、脚本も漫画も読んでもらったのですが、そこから同世代の女性として自分と麻子を照らし合わせて考えていく。でも宮沢さんの場合は、深く考える前に、一回読めば大体分かるとは思いました。麻子という人物に疑問がない感じでしたから」

―田中泯さんは「メゾン・ド・ヒミコ」('05年)以来の出演になりますが、その経緯は?

「あの役は、一番最後に出てきて、ドラマ全体を説得してくれる人ですよね。そう考えたとき、なかなか誰にもできないし、頼めない。しかもセリフがある役でもなく、最後のシーンで『ただ居る』っていう、それをやり切れる人。泯さんがやるって考えて書いているところもあるので、頼っているところもありますけど(笑)、何も言わないで居られる、そういう説得力を出せる人は、そんなにいないですよね。泯さんとは『メゾン・ド・ヒミコ』の後、ずっと一緒にやりたかったんです。ただ、泯さんみたいな人は、僕の場合は『絶対に泯さんじゃなきゃダメ』という役じゃないと頼めないんですよ。脇役でも『これは絶対に田中泯じゃなきゃダメ』という自信がないと頼みずらいところがあって。今回はそういう役だと思って、だから凄い時間が空いちゃったんです。他の映画でも出てほしいことはあるんですが、泯さんじゃなくても大丈夫ってなると頼めなくなる。今回の役は『他にあり得ないよね』くらいの勢いがあるので。泯さんも分かっていると思います。ずっと頼まないでいて、時々踊りを見に行って話したりして、泯さんは泯さんで凄いいろんなものに出るようになっちゃって(笑)。それだけ間を置いて頼むと、『これは絶対に俺じゃなきゃダメだと思ってるな』と分かってくれていると思います」

後編では、大島弓子作品についてや、吉祥寺という街の魅力、猫との撮影エピソードなどを紹介!

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

「連続ドラマW グーグーだって猫である」
10月18日(土)スタート
毎週土曜夜10:00-11:00(全4話)
WOWOWプライムにて放送
※第1話無料放送
http://www.wowow.co.jp/dramaw/gou-gou/

原作:大島弓子(「グーグーだって猫である」角川文庫)  
脚本:高田亮(「婚前特急」「午前3時の無法地帯」「わたしのハワイの歩きかた」)
監督:犬童一心(「ジョゼと虎と魚たち」「グーグーだって猫である」「のぼうの城」)
音楽:高田漣(「横道世之介」「箱入り息子の恋」)
挿入歌:「パレード」高田漣 feat.UA(ビクターエンタテインメント/スピードスターレコーズ)
出演:宮沢りえ 長塚圭史 黒木華 中岡創一(ロッチ) 市川実和子 菊地凜子 岩松了 田中泯 ほか

画像一覧
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  • 「連続ドラマW グーグーだって猫である」を手掛ける犬童一心監督にインタビュー!
  • 【写真を見る】宮沢りえと小泉今日子は大違い!?役へのアプローチ法を犬童監督が分析
  • 原作は大島弓子の自伝的コミックエッセー
  • 猫のグーグーを軸に物語が展開する
  • 宮沢りえが演じるのは、人気少女マンガ家の小島麻子
  • 麻子の担当編集者・大森を演じるのは長塚圭史
  • 黒木華が麻子のアシスタント・ミナミを演じる
  • 田中泯が演じるのは、麻子とグーグーを引き合わせるホームレス
  • 「宮沢さんは、麻子という人物に疑問がなかった」と犬童監督
  • 今作について「『好きなことができるぞ』と思って作り始めました」と犬童監督
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