ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

ザテレビジョンドラマアカデミー賞ノミネート作品
102回受賞(2019年7月クール)「凪のお暇」

102回受賞(2019年7月クール)「凪のお暇」

TBS系 2019年07月19日~2019年09月20日 毎週金夜10:00-10:54

▽最優秀作品賞
空気を読み過ぎて疲弊した凪(黒木華)への共感と共に、彼女を取り合う慎二(高橋一生)とゴン(中村倫也)のキャラクターが話題に。少しずつ成長していく凪に、多くの視聴者が心動かされた。
【中井芳彦P 受賞コメント】
作品賞ありがとうございます。コナリミサトさんの原作が面白くて、何とかドラマ化したいと思っていました。凪役には、黒木華さんが絶対にハマると思っていましたが、想像を超えて素晴らしかったです。
当初、我々スタッフは凪のくるくるの天然パーマはカツラでやらざるを得ないと考えていましたが、黒木さんから『地毛でやりたい』『地毛の方が細かいニュアンスが出ると思います』とご提案いただき、それがすごくうれしかったのを覚えています。高橋(一生)さん、中村(倫也)さんの出演も決まり、どう演じていただけるか、スタッフながら楽しみでした。最終回の、凪が慎二もゴンも選ばないという結末は最初から決めていました。凪には、放送終了後も『今ごろ何しているかな』と思われるようになってほしかった。だからこそ、全てを捨てて新たに仕事も決まってという、“第一歩”を見せたかったんです。原作が連載中なのでどうしても違いが生まれますが、原作ファンにも楽しんでもらえたらと思って作りました。

▽主演女優賞受賞:黒木華
空気を読み過ぎて過呼吸を起こして倒れたことをきっかけに、全てを捨て、人生のリセットを図る大島凪(おおしま・なぎ)役。常に周りに合わせて生きていたが、“お暇”によって少しずつ自立していく女性を演じた。「モサモサヘアを含め、原作のイメージ通り」という特徴的な天然パーマや、「前半は2人の男の間で揺れ動き、後半で個を確立する変化を見事に演じた」と絶賛された。
【黒木華 受賞コメント】
主演女優賞、ありがとうございます。このドラマは中井芳彦Pに原作の素晴らしさを語っていただき、坪井敏雄監督と一緒に凪のくるくるヘアをどうするか考えるところから始まりました。キャスト・スタッフ全員が本当に熱を持ってドラマを作っていたので、その熱が伝わったんだなとうれしくなります。
今まで、ドラマの現場では、特に主演となると、演じることに精いっぱいで、私から「こうしませんか」という提案をしたことがなかったのですが、この作品では初めてそういう話し合いができて刺激的でした。例えば、後半のシーンでは凪がおろおろする描写を少なくする提案をしてみたり、最終話で凪と慎二(高橋一生)が水族館に行く場面では、一生さんと話して、「口げんかのようにした方が、お互いを理解し合えている感じが出るのでは」となり、そう演じました。一生さん、ゴン役の中村倫也さんをはじめ、魅力的な方ばかりだったので、すごくクオリティーの高いものができたなと思います。ラストは、凪が慎二もゴンも選ばないというドラマオリジナルの展開になりましたが、この時点の凪はそうするだろうなと、私も納得できました。数年後なら分からないですけどね(笑)。
凪の境遇には、共感できることが大いにありました。社会で生きていく中で空気を読むことは必要だし、SNSでのマウントの取り合いもあるのかも。ただ、凪にも「周りに合わせていた方が楽」と考えるずるいところはある。慎二みたいなモラハラの彼氏はいたことがないので、そこは想像でしかないのですが、凪と慎二はお互いに本音を言えずにいたんですよね。そうやって人間の一辺だけでなく、多面性を描いていたからこそ、皆さんに共感してもらえたのかなと思います。楽しかったのは、アパートでの女子会やスナック「バブル」でのシーン。ママ役の武田真治さんが面白くて、「こんなママがいたら通っちゃうな」と思いました(笑)。

▽助演男優賞受賞:高橋一生
凪の元彼氏である我聞慎二(がもん・しんじ)役。人の懐に入るのが得意で仕事はできるが、好き故に凪に対して不器用過ぎる態度を取る二面性のある役を見事に演じ、「モラハラ男だが、実は打たれ弱い慎二を巧みに演じた」とTV記者と審査員に評価され受賞。
【高橋一生 受賞コメント】
助演男優賞もですが、何よりも作品が評価されたことがとてもうれしいです。「凪のお暇」は、僕にとって最後の青春だと思い演じさせていただきました。
慎二は人間的に不器用で、完璧に取り繕う器用さも持っているけれど、ちょっとつつくとガラガラと崩れてしまうくらいもろかったりする…。そういう人間らしいところがすごく愛おしいと思っていました。そして普段あまり自分の年齢を意識しないのですが、慎二は思った以上に若い役だと感じていて。そういう意味でも慎二を通じて青春を味わえた楽しい夏でした。ただ主人公たち3人にとっては、悩みっ放しのツラい夏だったと思いますが(笑)。現場はドラマ同様、とても穏やかな空気が流れていてほのぼのしていました。僕は武田真治さんが大好きで、真治さんを笑わせるためにいろいろなお芝居を試したのですが、どれもしっかりと受け止めてくださったのが印象的でした。それは他の皆さんも同じで。どんなことをしても対応してくださるので、本当に自由に動き回らせていただきました。甘えられる楽しい現場でした。

撮影=石塚雅人(黒木)/玉井美世子(高橋)

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