ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第90回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞 受賞インタビュー

唐沢寿明

おちゃめもシリアスも本気、それが見応え

最優秀助演男優賞、おめでとうございます。周囲からの反応はありましたか?
ずっとNHKにいたからね…、夏をほとんど感じなかったし(笑)。暑いって感じがなかったのは良かったかな…ずっとクーラーの効いているスタジオで(笑)。
気丈に亡くなっていくところは、「本当に寂しくなった」「涙なしには見られない」という声もありました
残念ながら、俺のところまでは届いていないんだよね(笑)。見た方がどう言ってくれているのかは分からないけれど、お芝居としては、アドリブをやっていようがいなかろうが、決めなきゃいけないところは決めなきゃいけない。ちょっとおちゃめなところもあれば、シリアスなところも、どっちも本気。100でやれば、それがお客さんにとって見応えになるしね。
今回の役作りで意識されたことは?
元々、(伊佐次のモチーフとなった)花森安治さんが、僕とは全然違うイメージの方なので、彼の思いは何とか伝えなきゃなとは思っていました。それに実在した方を演じるときは、その方のご家族に恥ずかしくないように、また、うそがないようにとも考えます。怒鳴り声が朝からうるさいと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが(笑)、仕事では怒鳴りまくって、家では優しいっていう、その振り幅は意識しました。
花山に共感できたところはありますか?
モデルになった花森安治さんは今の日本を作った人。本当にすごいと思う。商品試験をやって日本の企業のレベルを上げました。当時はまだ商品試験なんて思い付かない時代でしょう? あんな地道にいろんな試験をして、まだ未熟だった日本の家電を成長させた。もっと良い物を作れば売れるんだ!と、ものづくりをする人の意識を変えられたのがすごい。その先駆者だよね。だって先見の明がとんでもなくあったわけでしょ。日本の国力を上げたんだから。俺にはその要素はないから、絶対できないよ(笑)。
現場でもアドリブ連発で、三姉妹を引っ張っていく存在だったと聞きました
人間って、そんなにきっちり分かりやすく生きてないじゃない? 俺はアドリブをよくやるって言われているけれど、それで相手のいい演技を引き出すことがよくあるんです。アドリブで急に加わった演技に素直にびっくりしたっていう自然な表情や、新しい表情が引き出せる。他人の行動は予定調和ではなくて、常に急なもの。出演のなかった前半をずっと見ていて、様子を見て、色々やってみようかなと思っていました。ちょっとした冒険を一人ひとりがするようになってきて、厚みが出てきたよね。三姉妹、充希ちゃんもそうだけれど、すごく表情が良くなってきたし、自信を持って一つのシーンをやっている、っていう感じになってきたと思う。
いま放送のドラマ「THE LAST COP/ラストコップ」(日本テレビ系)も、5月公開の映画版も楽しみにしてます。
どんな役でもね、やっぱり僕らは全力でやって、お客さんに楽しんでもらうっていうのが仕事だから。バラエティーで宣伝に出させてもらうのも、何をやるにしても自分のキャラクターのビラまきだと思っています。それを見て、「あ、じゃぁ唐沢にこういう役を今度、やらせてみようかな?」って思ってくれる人に出てきてもらうために、いろんなことをわざとやっているワケです。チャンスがあれば、いろんなものに出会ったりしたいね。大なり小なり、ね。楽しんでやれるもんなら、それが一番いいでしょ。お客さんにとってもそれが一番楽しいしね。
とと姉ちゃん

とと姉ちゃん

総合生活誌「暮しの手帖」の創業者・大橋鎭子、花森安治らの軌跡をモチーフにした朝ドラ第94作。亡き父の代わって一家を支える長女の常子(高畑充希)が、家族で小さな出版社を興し、女性のための実用雑誌を創刊する姿を描く。共演は木村多江、西島秀俊、相楽樹、杉咲花、向井理、片岡鶴太郎、大地真央ら。

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