ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞 受賞インタビュー

撮影=大石隼士

松たか子

いいメンバーのおかげでやり続けられました

主演女優賞おめでとうございます。謎が多い巻真紀を演じるにあたり、意識していたことをお聞かせください
ありがとうございます。最初は楽器をやりながらお芝居をするのは大変だと思っていました。でも、撮影が始まると、向き合う登場人物がわりと少ないドラマだったのと、設定や展開がどんどん変わっていくので、それを楽しめるようになっていたんですよね。だから、お芝居をする上で、気を付けていたことは、本当に申し訳ないぐらい、なかったんです(笑)。それは、監督だったり、カルテットのメンバーだったりがさりげなく気付かせてくれるものでした。
作品には「先の読めない展開が面白かった」という、多くの支持が集まりました。演じられていてもそう感じられていたのですね
中盤で宮藤(官九郎)さんとのやりとりが2話にわたってあったときには、「そういうふうになるんだー」と思っていたんですが、それを経て「違う人でした」って言われたときは、もうあきらめようって(笑)。「私は誰ですか? 今までの話とつながるんですか?」ってスタッフの方々に聞きに回ったら、皆さん「大丈夫です」って言うので、じゃあ、いいのかな…みたいな感じでした。後半になると、みんな何が起きても腹をくくるまでのスピードが速くなっていたので、それは私も受け止めるしかないないですよね(笑)。最初は、犯罪を犯している人じゃないとは聞いてたんですけど(笑)、それも変わっていくことが連続ドラマならではの面白さですよね。久々にやってみて、1週間お客さんを待たせることはすごいことだと、今さらあらためて感じました。そう思ったのも、視聴者の皆さんが盛り上がってくださったおかげだと思います。
満島ひかりさん、高橋一生さん、松田龍平さんとの会話劇も大きな反響がありました。3人とのやりとりはいかがでしたでしょうか
みんながそれぞれ個性的で、いいメンバー、いいバランスだったおかげで、私もやり続けられた気がします。みんながお互いにないものを補い合うような、それを言葉で説明するのではなく、ふっと差し出すような、そんな感覚だったんです。宮藤さんとの夫婦の話のときは、4人の会話が極端に少ない回だったので、久しぶりに4人そろうと、安心感がありました。それも彼らの魅力なんだと思います。特に、後半は女性同士のやりとりを男性が聞くという場面も多かったので、ひかりちゃんも同じだと思いますけど、龍平くん、一生くんにすごく癒やされ、助けられたところがあったと思います。
カメラが回っていないときの4人の関係はいかがでしたか?
当事者だと分からないですけど、私は無理なく過ごしていました。やっぱり仕事だし、ちょっとした「よしっ!」という瞬間はあるんですけど、かなりゆるい雰囲気でいたような気がします。龍平くんのせりふで、「みんながみんな競争しているわけじゃない」とありましたけど、競争しているわけじゃないけど、競争してないわけじゃない、不思議な関係ですよね、共演者って。やっぱり、みんなそれぞれ、一生懸命頑張りたいというエネルギーを持って臨んでいるので、そのパワーは感じながらやっていましたね。
坂元裕二さんの脚本に初挑戦となりましたが、印象的なせりふやシーンを教えてください
個人的にすごいこと言わせる方だなと思ったのは、浅野(和之)さんが言っていた「志のある三流は四流だ」というせりふです。こういう厳しいせりふを言う人が出てくるドラマだということを、はたと気付かされたのはこの場面で。でも、この一言があるから、私たちは安心してコスプレも出来たのかなと。どちらかに全部体重を乗せるのではなく、その言葉があるからこそ、逆のシチュエーションを思い切ってやりきろうと臨んでいました。坂元さんの脚本はすごく言葉が面白いって、いろんな人に言われていましたけど、周りの評判だけでは実感できなかったことを10話かけて学ばせていただいた感じです。…というと坂元さんは嫌がるかもしれませんが(笑)。
演奏シーンや、4人で歌われた主題歌「おとなの掟」も素晴らしかったです。「おとなの掟」の作詞・作曲・編曲を手掛けた椎名林檎さんも、もちろんストーリー展開は知らなかったと聞いています
私自身、もっとできればよかったと思い返すことはたくさんあるんですけど、言い訳をすれば、その反省を上回るようなエピソードをたくさんいただけたので、それはすごく幸せ者だったと思います。林檎さんも内容をあまり知らない状態で書いたのに、結果的にストーリーとピッタリ合うというのもすごいですよね。そういう巡り合わせもラッキーでした。
最後に、唐揚げにレモンはかけますか?
私はあまり意識しなくて…。レモンよりも、カリカリな食感の方を大事にしているんですが、もしあるなら「ありがとう」と感謝を込めてかけます(笑)。


まつ・たかこ='77年6月10日生まれ、東京都出身。A型。「HERO」シリーズ('06年ほか、フジ系ほか)など出演作多数。映画「アナと雪の女王」('04年)では、エルサの日本語吹き替えを担当。歌手としても活躍
カルテット

カルテット

脚本家・坂元裕二が手掛ける、大人の人間ドラマ。都内のカラオケボックスで偶然出会い、弦楽四重奏団を結成した30代の男女4人の複雑な人間模様を描く。全く性格の違う真紀(松たか子)、すずめ(満島ひかり)、司(松田龍平)、諭高(高橋一生)の4人は、司の祖父が所有する軽井沢の別荘を拠点に週末、音楽活動を行う。

第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞受賞インタビュー一覧

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