受賞結果

94

脚本賞

1 Rank 1 岡田惠和 連続テレビ小説「ひよっこ」」NHK総合ほか
オリジナルにこだわるベテラン脚本家が上位に
オリジナルにこだわるベテラン脚本家が上位に

「ちゅらさん」('01年)「おひさま」('11年共にNHK総合)に続く朝ドラ3作目に挑んだ岡田惠和が受賞。「原作のないオリジナルストーリーを紡ぎ、どの登場人物にも愛情を注いだ」と絶賛された。2位はベテランの倉本聰。「特殊な設定で物語を紡いでいく力は、脚本家のかがみ」とあらためて実力を知らしめた。3位の遊川和彦は「ホームドラマを逆説で捉えた実験性を評価」。

受賞インタビュー
続きがやれたらいいなという野心もわずかにあります(笑)

Q 「ひよっこ」で、最優秀脚本賞に選出されました。受賞のお気持ちをお聞かせください

ドラマアカデミー賞は「最後から二番目の恋」以来ですかね? 久しぶりにいただけたこともそうですし、自分でもすごく愛している作品を選んでくださって本当にうれしいです。スタッフやキャストの皆さんたちのおかげだと思っています。

第94回 ドラマアカデミー賞 脚本賞 受賞インタビュー

Q 脚本を書いていく中で、役者さんたちの演技に刺激を受けたことはありますか?

今回はキャスティングに関して、結構意見を言わせていただきました。おかげで、死角がないと言いますか、最強のメンバーがそろったと思っています。オーディションでも、有名無名を問わずお芝居ができる人だけを選んだという自信があります。みんなに賞をあげたいくらいすてきな俳優さんばかり。登場人物全員、アテ書きしたような感じで、この人が言うからこのセリフが見ている人の心に届くという場面が多かったですね。役者さんをイメージしながら脚本を書くことができた幸せな仕事でした。

Q 放送が終わった今、ヒロイン・みね子を演じた有村架純さんに対してはどんな思いがありますか?

最近、他の番組などできれいな服を着ている姿を見ると違和感しかない(笑)。「みね子、どうした?」って思ってしまうくらい、ずっと彼女のことを見つめ続けてきましたからね。みね子は、有村さんでなければ成立しなかった役です。ストーリーの展開上、自分の話じゃない時もあるけど、見ている人たちが「やっぱり、みね子の話だよな」と思えるのは有村さんの力ですよね。いい表情やお芝居をするなって思いましたし、レベルの高いものを見せられたなと感じました。生半可な脚本は渡せないなという、挑戦をさせられているようなところもあって。それがプレッシャーにもなりましたけど、お互いに信頼し合って、高め合っていく相乗効果になったのかなと思っています。これは相性としか言いようがない気がするけど、どこにも負けない信頼関係を築けたし、“最強のコンビ”だったと自負しています。

Q 有村さんのお芝居で印象に残っているシーンはどこでしたか?

全てのシーンにおいて、有村さんがみね子にしか見えなくなっていました。それはたぶん、こういうみね子を誰かにやってほしいということではなく、有村さんが演じるみね子が見たかったということです。だから、お芝居をする上で、彼女の選択に違和感がないんです。故郷の茨城にいる時、東京にいる時と、その局面、局面で、しっかりと田舎の高校生に見えたし、集団就職で東京にやって来た女の子に見えました。朝ドラのヒロインを演じるということは、肉体的にかなりしんどかったと思います。でも、有村さんが本来持っているストイックな部分が、みね子という一見何にも考えていなくて、流されているような感じに見えるけど、心の中では葛藤がある役にすごくハマったんじゃないかと思います。

Q みね子はもちろん、登場人物はどのキャラクターも個性的でしたね

誰が欠けてもだめでした。特に愛子さん(和久井映見)と宗男(峯田和伸)には要所、要所で助けられました。みね子のストーリーの横にいるような立ち位置で、真っ当なことを言う二人には説得力がありました。ドラマを下支えしてくれたすてきなキャラクターでした。

Q 脚本を書く上で、産みの苦しみを味わったシーンはありますか?

ただただ、女性たちがしゃべっているような、何にもない話みたいなほうが自分の中では時間がかかっています。豊子(藤野涼子)がクイズで優勝する回なんかは、本当はなくてもいいエピソードですからね(笑)。でも、そういう話を書くのが好きだし、力量が試されると思うんです。つまらなかったら、書かせてもらえないですから。何でもないようなシーンを、どう面白く見せるか、セリフのチョイスや、誰と誰が会話をするのかなど、難しいですけど楽しい作業でした。朝ドラだから許される時間の贅沢さだと思っています。

Q 「ひよっこ」ファンは、続編を待望していると思うのですが、お気持ちはいかがでしょうか

今回の朝ドラでは前半が2年、後半1年、そしてラストがだいたい半年ぐらいの約4年という時間の流れだったんですよね。これは、長いアイデアのうちの4年分しかやれなかったということではなく、ある程度4年という時間の中に盛り込むことができたんです。もちろん、もう少し先のことも考えていたりはするんですけど、書いているうちにこの作品のリズムは月曜日に“そして、2年が経ちました”という展開をやってはいけないような気がして。だから、あれぐらいの月日の流れが良かったのかなと思っています。最終回は、物語が終わりましたというフィナーレ感が欲しいと思いつつ、どこかスタートしていく感じも書きたかった。大体、豊子と澄子(松本穂香)が「あかね荘」に引っ越してくるなんていうエピソードは、最終回にやることではないですからね(笑)。見ている方たちの中で、物語の先を想像していただけるような終わり方にしたかったという思いがあったんです。そういう意味では、続きがやれたらいいなという“野心”もわずかにあります(笑)。

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