「クレイジージャーニー」横井雄一郎ディレクターが選ぶ!
今しか観られない“超絶ジャーニー”3選

横井雄一郎(TBS)

よこい・ゆういちろう●1981年生まれ、神奈川県出身。株式会社TBSテレビ 制作局制作一部所属。2004年に入社。「学校へ行こう!」「リンカーン」「ドリームマッチ」などを経て、現在は「クレイジージャーニー」(毎週水曜日、夜11:56~)などを担当している。

「マンホールタウンに潜入」

©TBS

レギュラー放送初回にして番組の印象を決定づけたルーマニアの旅

  独自の視点やこだわりを持って世界&日本を巡る“クレイジージャーニー”たちが その特異な体験を語る、伝聞型紀行バラエティ「クレイジージャーニー」。レギュラー放送となった初回のジャーニー(旅人)は、レギュラー化される前の特番に登場してもらった危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスさん。ルーマニアにマンホールの中で生活をしている人たちがいるということで現地に行って、その場所を見つけて交渉して入っていきました。そうしたら、ブルース・リーと呼ばれているマンガに出てくるようなボスがいて、そこにいる人たちの中には薬物中毒者もいて、すごく衝撃的でした。そこで暮らしている人たちはそういうふうにしていかなければ生きていけないというのを目の当たりにして、日本でいう“悪”というものを、そのまま“悪”といってもいいのかを考えさせられる意味でも、衝撃が大きく、印象に残っています。番組の視聴者の方からの反響も大きくて、今でもこの回のことについて「凄かった」と言われることが多いですね。その後、ボスが逮捕され、マンホールも封鎖されてしまいましたから、貴重な映像でもあります。「クレイジージャーニー」は、このマンホールタウンをはじめ、あの時だから観られた、あのタイミングだから潜入できたというものが多いですし、日本人だけじゃなく海外の方が観てもきっと興味を持てると思うんです。ゴンザレスさんは人気ジャーニーの一人でたくさん出てもらっていますが、まずはこの回を観てください。

          
            

「世界四大廃墟巡礼の旅」

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奇界遺産フォトグラファーが捉えた世界トップレベルの“廃墟”の美

  丸山ゴンザレスさんと同じく特番の時から登場してもらっている写真家・佐藤健寿さんが世界四大廃墟と呼ばれる、イギリスのマンセル要塞、ブルガリアの共産党ホール、チェルノブイリ、ベルギーの冷却塔を巡る旅で、前後編の2週にわたって放送しました。世界の廃墟マニアが憧れるトップ4を全部訪れるという内容で反響も大きかったです。廃墟の魅力は、その建物が放置されて月日が経過したことによって独特の光景が生まれるところにあります。崩れ具合や廃れ具合も美しいんです。ブルガリアの共産党ホールは上空から見ると荒野の中に宇宙船が残されているような感じなんですが、佐藤さんが早くからドローンを使った撮影を実践されていて、そのおかげでいろんな角度から撮影することができました。今ではドローンを使った撮影は当たり前になっていますが、当時はかなり早いほうだったと思います。今では封鎖されたり、取り壊されたりしているものもありますので、これもその時にしか観られない光景でした。物珍しいものを単に物珍しいものとして見せるというふうにはしたくないと思っていて、この廃墟巡礼も佐藤さんの廃墟に対する熱量があるから印象に残る回になったと思うんです。廃墟には一定の人気があって、最近でも廃墟の回を予告すると「待ってました!」と喜んでくれる視聴者の方も多いです。

          
            

「アフリカの少数民族を愛する女性写真家」

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現地の人たちと同じ格好になって距離を縮める女性写真家の旅

  2015年に放送した女性写真家・ヨシダナギさんが初めて登場された回です。エチオピアのスリ族という少数民族の写真を撮りにいくという旅でしたが、最初はガードが固くてすごく警戒されていました。ナギさんは現地の人たちと同じ格好になって距離を縮めて写真を撮るというスタイルだったので、スリ族の女性は上を着ていませんでしたが「同じ格好になりたい!」とナギさんも服を脱ぎました。その瞬間、相手の警戒心が解けて、ナギさんにみんなが寄ってきて、笑顔を見せてくれたんです。相手に受け入れられてから文化を見るということがすごく新鮮でしたし、相手の感情が激変する瞬間を目の当たりにすることもできました。ゴンザレスさんや佐藤さんの旅は、どちらかというと男性が興味を持ちそうな内容が多いと思いますが、ナギさんの旅は女性、特に若い女性の方に刺さっているようです。ここ3年ぐらい毎年、渋谷西武などで大規模な写真展が開かれています。以前、会場を訪れたところ、サイン会に若い女性がたくさん並んでいて、それを観てナギさんの旅がどういう人たちに刺さっていて、ナギさんを応援しているのか実感しました。世界的に文明化が進んでいて、少数民族も減少している傾向にありますから、こういう旅もやはり今だから観られるものだと思います。

          
            
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