テレビ専門誌「ザテレビジョン」統括編集長が選ぶ!
ガチで泣いた“涙腺崩壊ドラマ”3選

内山一貴(ザテレビジョン統括編集長)

うちやま・かずたか●「週刊ザテレビジョン編集長」を経て、2019年4月より「週刊ザテレビジョン」「月刊ザテレビジョン」を統括する統括編集長に就任。週刊ザテレビジョン一筋14年の編集者。

「白夜行」

©TBS

愛のためだけに生きる山田さんと綾瀬さんに泣ける

  僕はドラマが好きで、「Paravi」はオリジナルドラマの「新しい王様」が見たくて加入しました。仕事柄、不規則な毎日だということもあり、いつでもどこでもスマホやPCでも見られるParaviは重宝していますね。
  さてまずは「白夜行」。僕はこのドラマの放送当時、TBSの担当記者をしていて。このドラマの写真集を作ったこともあって、取材で毎日のように撮影現場に通っていたんです。TBSの緑山スタジオで、収録が終わった後に山田孝之さんや綾瀬はるかさんに何度もインタビューをしました。撮影の後で疲れていたはずなのに、取材時間を越えてもたくさん熱心にお話をしてくれたのを覚えています。マネジャーさんも時間を過ぎても止めなくて。僕もこの作品のことを何度も夢に見るくらいハマっていたのでインタビューに熱が入ってしまったので仕方なく、だと思うのですが(笑)。
  物語はとても重いテーマを扱っています。いわば“罪と罰と愛”といったところでしょうか。山田さん演じる亮司と、綾瀬さん演じる雪穂が少年少女のころに犯した罪を十字架のように背負って生きていく物語です。2人は普通の若者のように太陽の下で生を謳歌することはできない。太陽を避けて歩き続けていく。だから「白夜行」というタイトルなのです。
  2人は関係性を世間にさとられてしまうと幼いときの罪が露見してしまうので、表面上は全く接点を持たずに生きていきます。ですが、2人の胸の中には常に互いの存在がある。お互いがいるからこそ生きていけるという、特別な“絆”で結ばれている。真っ直ぐではないけれど非常に深い愛でつながっている。犯罪者で、本当の幸せは手には入らないと分かっていても、2人は徹底的にお互いのためだけに生きる。お互い身を捧げて、たった一つの愛のためだけに生きている。その愛は本物なんですね。山田さんと綾瀬さんの魂の演技に胸を打たれて涙がこぼれてきます。僕はこれまで14年ほどザテレビジョンの編集の仕事をしてきましたが、この作品は本当に特別なドラマです。

          
            

「カルテット」

©TBS

坂元裕二×土井裕泰、TBSの最強タッグは間違いなく泣きます

  「カルテット」は脚本家の坂元裕二さん、演出家の土井裕泰さんという現代テレビドラマ界が誇る“至宝”のお二人がタッグを組んだ作品。
  この作品は軽井沢の山荘で共同生活を送ることになる男女4人のストーリーなのですが、軽井沢の自然の中の柔らかい空気、優しい光に包まれた、どこか“おとぎ話”のような映像の美しさも見どころです。そして坂元さんの洗練され澄んだ水のような言葉たちがその映像とセッションをすることで、まさに美しい“映像の演奏”を感じられる幸せに浸ることができます。
  物語はカルテットというタイトルのとおり、真紀(松たか子)、すずめ(満島ひかり)、諭高(高橋一生)、司(松田龍平)の4人の物語。4人とも、家族や仕事に問題を抱えていて、何かが欠落している。そんな4人が家族みたいに一つ屋根の下で暮らす中で、足りない部分を補い合っていく。一人一人の問題を解決するというよりも、その問題や悲しみに4人が寄り添い合うような。そこにはありきたりの励ましの言葉などはなく。ただ、お互いが寄り添っていることで悲しみが癒えていくような。そんな美しいシーンが積み重ねられていきます。
  松たか子さんと満島ひかりさんのシーンで忘れられない場面があるんです。満島さん演じるすずめが悲しみを抱えているところに、松たか子さん演じる真紀が駆けつける。2人はそば屋でカツ丼を食べるんですけど、すずめは涙をこぼしながらカツ丼をほおばるんですね。その時、真紀が「泣きながらご飯食べたことある人は、生きていけます」って言うんですね。何て美しいセリフ、何て美しいお芝居なんだと感動して泣きました。何度見ても心が震わされる作品です。

          
            

「大恋愛~僕を忘れる君と」

©TBS

妻を思って笑わせようとするムロさんのギャグシーンが逆に泣ける

  尚(戸田恵梨香)と真司(ムロツヨシ)の夫婦の物語なんですが、尚は記憶を無くしてしまう病気で最愛の真司のことも次第に忘れていってしまうというストーリー。真司と尚は結婚して息子ができるんですが、幼い子供が行方不明になってしまうという出来事があって。でも、尚は息子が行方不明になってしまったそのこと自体も忘れてしまう。姿の見えない息子を「どうしたの?」と探す尚。その姿には記憶の断片を失いつつも、母としての愛があふれている。一方の真司は息子が行方不明であることと、妻の病状が進んでしまっている2つの現実に直面しながらも、家族を守ろうと必死にこらえている。その2人の“愛のシーン”にとても胸が苦しくなるんですよね。涙なくしては見れないシーンです。
  ムロさん演じる小説家の真司は病気である妻の尚を元気づけようとギャグを言ったり、変顔をしたり、いつも明るいんです。旦那さんの愛ってすごいなって。奥さんの前では、必ず笑顔で病気という悲しみに堪えているんですね。病気の尚を心配させないようにと、必死に繰り出す真司のギャグシーンが愛にあふれていて何度も笑いながらも号泣させられました。
   この作品の最終話は本当に感動的。尚は愛する真司と息子に迷惑をかけまいと海辺の小さい病院へ姿を消すんです。そして最愛の真司の事を忘れていってしまう…。そこへ尚の居場所を探し当てた真司が現れる…という展開なのですが、ラストシーンは本当に泣けます! 僕はドラマは一人でも見るし、土日には奥さんと一緒にも見ます。妻に涙を見られても恥ずかしいかって? 全然恥ずかしくない。2人でドラマを観て泣いてますよ(笑)。

          
            
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