“ラジオ風”バラエティー番組が今盛り上がる訳 テレビの“ネットニュース視聴”ともマッチか

2020/11/03 07:20 配信

芸能一般 コラム

「あちこちオードリー」で大暴れしたパンサー・向井慧ザテレビジョン撮影

ついつい引き出される“不用意発言”


これまで挙げた“ラジオ風番組”の特徴は、リラックスしたムードで出演者の“素”を引き出していること。実際に飲酒しながら収録する「ダウンタウンなう」や「川柳居酒屋なつみ」、飲み屋風セットの「あちこちオードリー」「おかべろ」、パジャマ姿で収録する「ミレニアガール」など、スタジオの雰囲気からリラックスムードを演出。力まずにじっくりトークを展開することで、ゲストの“素”を引き出し新たな魅力が発掘されている。

あちこちオードリー」でMCを務めるオードリーは、11年間放送を続ける番組「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)で、「好きなラジオランキング」(日経トレンディ調べ)1位を獲得するほどの“ラジオスター”でそのラジオ力は折り紙付き。

また、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の企画で、“小物MC芸人”として括られたこともある若林正恭。ゲストに寄り添い、緊張させないMCスタイルがゆるい空気を形成し、普段はテレビで言えないような話でもつい口を割ってしまうゲストが続出している。

ゲスト出演したパンサー向井慧は普段の、冷静に番組やロケを回す印象はどこへやら、トークがヒートアップ。相方・尾形貴弘に積年の不満をぶつけ、切実なお笑いへの思いを熱すぎる口調で語った。

番組のスタジオには、「不用意な発言禁止」「ラジオじゃない」「ライターがすげぇ観てる」と書かれたプレートが掲示。ゲストとMCがぶっちゃけ過ぎた発言をしないよう抑えているという、異様な状況が生まれている。