コロナ禍で減少する広告収入と番組製作費
この“ラジオ風番組”は、今の時代ともマッチしているのかもしれない。
新型コロナウイルスの影響を受け、テレビ局の広告収入は軒並み減少。民放キー5局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)の第1四半期決算(4~6月)では、テレビ局が定める時間に挿入されるスポットCMは各局ともに前年度比約30%減、提供する番組の枠に放送されるタイムCMも10%減となった。それに伴うように番組制作費も減少し、各局ともに20%~30%減の状況となっている。
このように番組の制作環境が厳しい昨今、少人数の出演で撮影にも手間がかからず、制作費が安く上がる“ラジオ風番組”はテレビ局的にもありがたい存在と言えるだろう。
テレビ番組の“ネットニュース視聴”ともマッチ?
また、テレビ番組の放送内容や芸能人のSNS投稿など、どんな些細なトピックでもネットニュースとして取り上げられる現在のエンタメ業界。“ラジオ風番組”は、何か企画を行う番組より動きが無いため、文字にしても伝わりやすく記事化されやすい。そのため、放送翌日のニュースポータルサイト上に、番組のオンエアを見て書かれた“こたつ記事”が続々アップされる。
“テレビ離れ”と言われて久しい現在だが、“テレビは見ないけどスマホでネットニュースは読む”という人は多い。“ラジオ風番組”は、そんな現代人のライフスタイルにもマッチしているのかもしれない。