飯豊まりえ“ご縁”を届ける不思議な配達員役に挑戦!「モデルは監督」<Interview>
「これが最後ね」と言われたオーディションで…
――ドラマでは、物がつなぐさまざまな奇跡が描かれていますが、飯豊さんご自身がこれまでに奇跡的だったなと思っている物や人との出会いはありましたか?
私がこの世界に入ったのは雑誌と現在の事務所のオーディションだったんですが、そのオーディションで雑誌の編集長だけが私を選んでくれてこの世界に入ったんです。当時、オーディションを1年だけ受けても良いという約束を母親としていて、そのオーディションが「これが最後ね」と言われたオーディションだったんです。
後々その編集長にお話を聞いたら、「一人だけ普通っぽい子がいたから気になって選んだんだよ」って言ってくださったんですけど(笑)。その編集長がいなかったら私は今ここにいないと思うので、その方とのご縁というのは奇跡だったなと思います。お仕事が決まるたびに「見てくださっているかな」と思っています。
――プライベートで、持っている物を譲ったり、手放したりする事はありますか?
私は基本、お洋服とかは捨てずにお友達に譲ったりだとか、学生の頃から発展途上国に送ったりしているんです。最近は、お洋服をリサイクルして新しいお洋服にするところも増えてきているので、そういうところに出したりもしますね。
あと、家にお友達が来たときに、「これいいね!」と言われたら「どうぞ持って帰って!」と言っちゃいます(笑)。自分よりもその友達の方が、その物に興味を持ってたり、熱量が高いので渡す事が多いですね。
――第一話で、バンドマンが「物があると責められてる気分になるんだよな」というせりふを発していますが、飯豊さんはそのように思ったことはありますか?
そういう感覚はあまりないですね。悲しかったこととかも、いつかは思い出したくなると思うので、私はずっと取っておきます。
つらい思い出に自分がしてるだけなのかなと思うんですよね。いつか自分が「幸せ!」って思うタイミングでそれを見たりすると、「こんなこともあったな」「こんな感情も知れたな」って思えると思うので、自ら手放すことはないですね。
陸のモデルは監督です!
――同作の出演オファーを受けた時に、「片桐監督とご一緒できることもすごく楽しみでした」とおっしゃっていましたが、実際に監督とご一緒してみていかがでしたか?
監督は私とは違った感覚を持った方で、私は結構“根明”なんですが、片桐監督は自分で「根暗です」とおっしゃっていて。確かに暗かったんですよ(笑)。
でも、「気持ちよくお芝居してくださいね」っていう気遣いが心に沁みましたし、監督が温かいからこそ、こういう作品を作ることができているんだなと思いました。監督、口には出さないんですが、SNSで「もっと一緒にお仕事したかったなぁ」って書いてくださっているのを見つけました(笑)。
――役を演じる上で監督からのアドバイスはありましたか?
監督からは「お任せします」と言われたんですが、監督の第一印象が陸にちょっと似ていたので、モデルは監督です!
監督は、ちょっと不思議な空気を持っていて。目に見えないものまで見えてそうな感じとか、感情を汲み取ってくれるところが似ているなと思ったので、そういうところを取り入れました。