脚本賞は「MIU404」野木亜紀子氏 ラストシーンは『連続ドラマでなかったら生まれていない』<ドラマアカデミー賞・インタビュー前編>

2020/11/07 07:00 配信

ドラマ

「MIU404」は第105回ドラマアカデミー賞で4冠

「MIU404」は第105回ドラマアカデミー賞で4冠

「第105回ザテレビジョン ドラマアカデミー賞」で脚本賞を獲得したのは、機動捜査隊員のバディがさまざまな事件に体当たりで立ち向かう様を描いた「MIU404」(TBS系)の 野木亜紀子氏。「アンナチュラル」(2018年、TBS系)に続き、2度目の受賞となった。そんな野木氏へのロングインタビューを前後編で送る。前編では、衝撃的な最終回を書いた経緯、伊吹&志摩のバディについて聞いた。

最終回は「撮影条件がある中で思いついた展開」

――「MIU404」で脚本賞に選ばれた感想を聞かせてください。

脚本賞ではありますが、みんなでもらったものだと思います。脚本は小説と違って、映像にならなければ意味がない。しかも、それを陳腐じゃない映像にしてくれる人がいて初めてドラマとして評価されるわけです。

特に今回の受賞は、コロナ禍の最中、感染対策に気を遣いながら1カットずつ撮影したキャストとスタッフの皆さんの苦労の結晶だと思います。私は部屋の中にいてシナリオを書いていただけなので、その苦労の10分の1も味わっていません。

今回、テレビドラマの歴史でも例がない放送延期や撮影中断ということを経験し、現場で映像を作ってくれる人への感謝が深まりました。私の脚本はハードルの高いことを要求したと思いますが、そのハードな撮影を暑い中、みんなマスクを付けながらやってくれました。最終回もロケが多く、「もし台風が来たらおしまいだ」という中、無事に完成させることができたのは、みんなが起こしてくれた奇跡だと思います。

――その最終回ですが、伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)が久住(菅田将暉)を追ってクルーザー船に乗り込み、ドラッグをかがされてバッドトリップ。志摩が死ぬという「悪夢」と、死なない「現実」の2パターンを描いたのはなぜですか?

実は、いろんな撮影条件がある中で思いついた展開でした。まず、最終話の撮影期間が1週間程度しかなく、新井順子プロデューサーから「ロケ地をいくつも探せない」と泣きが入りまして(笑)。どこか1箇所ならできるというけれど、今さら100万回は見たような廃工場などではやりたくない。ふと思いついて「船はどう?」と聞いてみると、「一隻借りちゃうから大丈夫かも」ということで…。まずそのワンシチュエーションで話を進めるというところから始まりました。

同時に、最終回で何を見たいかと考えると、せっかく綾野剛星野源菅田将暉という役者がそろっているのに、最終回ギリギリまで会わせておらず、それぞれ1対1の芝居を見せていない。刑事ドラマとしてアクションもほしいけれど、やはり芝居も見せたいよねという話になり、塚原あゆ子監督はもともと芝居を撮りたい人なので、賛成してくれました。そこで、船内というワンシチュエーションで伊吹と久住、志摩と久住という2パターンの芝居を見せるためにはどうすればいいのか? その条件をクリアする展開を考えました。


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