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「夜がどれほど暗くても」岡田結実インタビュー 「撮影前半は毎日泣きのシーンがあって、『私この現場で笑う日が来るのかな?』と思うくらいでした(笑)」

2020/11/21 06:00

「上川さんの包容力に一瞬で包まれて、気付いたら泣いていました」


――今回上川隆也さん演じる志賀とは、「被害者遺族」と「加害者遺族」というある種敵対せざるを得ない立場でありながら深く関わっていくことになります。上川さんとのシーンは感情を爆発させる場面も多かったかと思いますが、共演されていていかがでしょうか。

岡田:奈々美にとって志賀はずっと拒絶するというか、殺したいくらい憎くて、何をしてもムカつく相手なんです。演技をしていても最初の方はそういった感情が芽生えてくるんですけど、私の演じる奈々美が(感情を)ぶつけるたびに、それを受け流すことなくしっかりと受け止めて、自分も傷を負いながら奈々美を抱きしめてくださる志賀にめちゃくちゃ救われたというか。

奈々美は、本当は志賀に思いをぶつけたいわけではなくて、このどうしようもない思いを誰かに受け止めてほしいだけなんだと演じていて思いましたし、志賀を前にして奈々美の弱い部分がポロッと出てしまう場面などは、「これからの演技人生でこういうシーンがまたやって来るのかな」って思うくらい、すごく大切にしたいシーンでした。

今まで演技をする中では、「ここはこう演じよう」とか「こういう感情の流れで行こう」とかプランを立てて現場に入っていたんですが、この作品で志賀を演じる上川さんと演技をしていると、いい意味でプランが崩れたというか。

ある時何も考えずにただひたすら気持ちをぶつけることに集中できたシーンがあって、今までだったら終わった後に「今のシーン良かったのかな?」とか考えていたんですけど、そんなことも考えられないくらい集中できたシーンがいくつかあって。

普通の役者さんだったらそれが全部じゃないといけないところだと思うんですけど、でもそのシーンがいくつかあったからこそ、奈々美とすごくリンクすることができて。今までやっていた演技の中に新しい概念のようなものが生まれて、本当に新鮮というか、初めて演技した感覚にまた引き戻されたというか、本当に楽しさしかなかったです。

週刊誌の副編集長だった志賀(上川隆也)は、殺人事件の「当事者」となったことで世間や周囲から追い詰められていく
週刊誌の副編集長だった志賀(上川隆也)は、殺人事件の「当事者」となったことで世間や周囲から追い詰められていく


――志賀とのシーン以外では、奈々美は感情を押し込めていることが多かったと思いますし、だからこそお二人でのシーンでそれが一気に爆発するような部分もあったのではと思いますが…。

岡田:奈々美にとって志賀は憎らしくて関わりたくない存在だけど、誰にも言えないこの思いを受け止めてくれるのも、自分と関わろうとしてくれる志賀しかいないんですよね。だから(言葉でも身体的にも)傷つけてしまうけど、心の奥の方で奈々美はずっと「助けてほしい」という気持ちがあったと思うんです。

演技している中でも、奈々美のそうした「苦しい」「助けてほしい」という声をすごく感じていて。それに耳を傾けていると、「上川さんが絶対に受け止めてくれる」という安心感も生まれてきました。

後半の弱音を見せるシーンでは、泣きのシーンなのにリハーサルまで全然泣けない時があったんですけど、本番では上川さんの包容力に一瞬で包まれて、「気付いたら泣いていた」という感じでした。なので、本当に相手役が上川さんで良かったな~と何回も思いました。

「グーサインしながらウインクしてくれた泰造さんを見て『うわっ、カッコいい!』って(笑)」


――奈々美は原田泰造さん演じる刑事・長澤にサポートされるシーンが多くあります。岡田さんにとっても泰造さんはバラエティーで何度も共演されている分、他の役者さんよりも心理的な距離が近いのではと思ったのですが、ドラマの現場でお会いする泰造さんはいかがでしたか。

岡田:バラエティーの泰造さんもすごく優しいっていう印象なんですけど、今回のドラマでお会いした泰造さんは、(この作品で演じた)長澤が刑事さんの中でも奈々美に感情移入して、すごくケアしてくださる役どころだったこともあって、長澤の優しさがすごく伝わってきました。

でも、奈々美としては早く犯人を捕まえてほしいのに全然捕まえてくれない警察に対するいら立ちから、途中長澤のそうした優しさすらも信用できないという思いも(演技の上では)あるんです。そうした心理描写にも注目してほしいです。

クランクイン初日から泣き叫ぶシーンがあったんですけど、私自身、初日だったので奈々美(の役柄)がちゃんと出来上がっているのかまだわからないから不安があって。そんな時、本番前に泰造さんが「大丈夫? 緊張してる?」って声をかけてくださったんです。

そのシーンでは何回かテイクを重ねていく中で「あ、今やりきったな」と思えるような、(自分の中で考えていた)奈々美が出せた瞬間があったんですけど、そうしたらシーンが終わった後に泰造さんが「めっちゃ良かったよ」ってグーサイン(=サムズアップ)をしながらウインクしてくださったんです。それを見て「うわっ、カッコいい!」と思って(笑)。

(その時は)奈々美の心境だったのに、奈々美も自分もキュンと来ちゃって(笑)。それを見て「めっちゃ救われた!」と思いました。(奈々美にとっての)長澤もそうですけど、「泰造さんがいてくれて良かった~」って心から思いました。

思わず岡田をキュンとさせた、原田泰造演じる長澤の「カッコいい」姿も必見!
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――奈々美と周囲の大人との関係性は、岡田さんとも少し近いのかもしれませんね。

岡田:そうですね。その時は特に「あ~、一人じゃなかった~」って思いました(笑)。泰造さんは私の泣き崩れるシーンを見た後、表情に寄ったワンショットの撮影だったんですけど、無言の雰囲気で「後は任せて」というようなメッセージを伝えてくださって。

泰造さんもそうですし、他のキャストやスタッフの皆さんも、泣きのシーンだけでなく全編にわたってすごく丁寧に作り上げてくださったので、本当に素敵な現場というか。奈々美としては「自分は一人きりだ」っていう感情もあるけど、私はいろんな方にすごく支えられているなと思いました。

下に続きます
■「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」
11月22日(日)スタート
毎週日曜夜10:00-11:00ほか
WOWOWプライムにて放送(※第1話無料放送)
https://www.wowow.co.jp/drama/original/yoruga/


■連続ドラマW 夜がどれほど暗くても/プロモーション映像(60秒)【WOWOW】


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夜がどれほど暗くても

出演者:上川隆也 加藤シゲアキ 岡田結実 鈴木浩介 霧島れいか 葉山奨之 辰巳雄大 高橋克実 高嶋政伸 羽田美智子 原田泰造 

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