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「夜がどれほど暗くても」上川隆也インタビュー 「物語の最後に迎える“報い”は、ご覧いただくに値するものになったと思っています」

2020/11/23 15:00

「岡田さんの体当たりの演技は、まごうことなき奈々美の心情を描き出していました」


――先日の中山七里さんへのインタビューの中で、原作小説を書く際のオーダーが「ほっこりしたものを書いてくれ」というものだったそうです。それを中山さんは「被害者遺族、加害者家族がお互いを傷つけながらも、最終的に『共感はできないけれど理解はしよう』となる姿」として描いたと仰っていました。ドラマでは本来交わることが許されない二人が関わっていくことになりますが、その部分について上川さんは演じていていかがでしたか。

上川:この作品は中山先生の原作小説を元にしていますが、原作であれば読者の皆さん、今回のドラマであれば視聴者の皆さんという、物語を見届けてくださった方にとっての「報い」が必要だと思うんです。それはやはり用意されているべきものだと。

中山先生もそれを「ほっこり」という言葉に置き換えて仰っていたのかもしれませんが、僕らも物語に携わる中で、ご覧になってくださった皆さんが「最後まで見てよかった」と思える報いのある場所へ向かって走っていきたいと思うんです。それは演者のやり甲斐という言葉に言い換えることができるかもしれませんし、実際この物語で最後に迎える報いはご覧いただくに値するものになったと思っています。

――被害者遺族である奈々美役の岡田結実さんは、「上川さんがすべてを受け入れてくださって、上川さんとでなければ奈々美は演じられなかったと思う」と仰っていました。岡田さんとのシーンは、感情を爆発させる奈々美と、ひたすらそれを受け入れる志賀という構図も多かったと思いますが、岡田さんと共演しての印象はいかがでしたか。

上川:岡田さんはすべてのシーンで何一つ手加減なく、体当たりで向き合ってくださったんです。僕の目にはそれが、まごうことなき奈々美の心情を描き出しているように見えました。岡田さんはとても素敵な言葉で表現してくださいましたが、それは「こちらもその時々に持てるもので相対していかなければ」と思わされるお芝居だったからに過ぎません。精一杯演じさせていただきました。

――シリアスなシーンが続く現場だったかと思いますが、撮影中の印象的な出来事はありましたか。

上川:「週刊時流」の編集長を演じてくださった高橋克実さんや、志賀が異動することとなる「月刊時流」の編集長を演じた鈴木浩介さんなどは、これまで何度もご一緒していて。それだけに、ハードな場面での芝居が多かったのとは裏腹に、カメラの回っていない時間は実に温和というか、気心知れた者同士だけにとても楽しかったです。

SNSやメディア報道だけでなく、週刊誌を生み出す編集部のリアリティーある描写にも注目
SNSやメディア報道だけでなく、週刊誌を生み出す編集部のリアリティーある描写にも注目


「志賀や彼を取り巻く人物たちにどんな『夜明け』が来るのか見届けてほしいです」


――もともと志賀がいた「週刊時流」と、飛ばされる形で配属された「月刊時流」、それぞれの編集部でのシーンは演じられていかがでしたか。

上川:志賀にとっては、仕事を続けさせられることこそが針のむしろだったように思うんです。もし仕事を自粛できていたら、志賀にはまた違った環境があったのかもなという想像をしてしまうくらい、彼には公的に休まる時間は与えられなかった。でもそれがあったからこそ真相に肉薄していくことができたとも思うので、そこは功罪があったように思います。

特に今回加藤シゲアキさんが演じてくださった井波という男は、誰よりも志賀の行動を責めさいなむわけですが、志賀は彼と共にいることで、精神的にきついながらも自分自身を見つめ直していくことができたと思うんです。仕事があったからこそ、楽はできなかったし恵まれていたとは言いづらいですが、けれど真相を見い出せたという意味では、僕は志賀を「よくぞ耐えた」と讃えてあげたいとすら思います。

――その加藤シゲアキさん演じる井波と志賀は、当初は副編集長と編集部員として。その後は取材者と取材対象者として対立していくことになりますが、加藤さんとの共演はいかがでしたか。

上川:立場を超えて、それでも自分の信じるものを提示していくというのは、なかなかに辛い作業でもあると思うんです。でも加藤さんはそれを非常に冷静に、繊細にといった方がいいのかもしれませんが、きちんと井波というキャラクターを見つめて演じてくださいました。ちゃんと糾弾する言葉の中にも実が込められていたからこそ、志賀としての僕もそれを真正面から受け止めてお芝居することができた実感があります。

――最後に、本作の見どころを交えて視聴者の皆さんへメッセージをお願いいたします。

上川:この物語のタイトルは「夜がどれほど暗くても」ですが、これに続く言葉がきっとあるんです。それは中山先生も仰っているように、「夜はやがて明ける」なんだと思うんです。その明けていくまでの物語ですので、どん底に突き落とされた志賀や彼を取り巻く人物たちにどんな「夜明け」が来るのかを、ぜひ見届けていただきたいと思います。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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■「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」
毎週日曜夜10:00-11:00ほか
WOWOWプライムにて放送中
※第1話は11月23日(月)、12月3日(木)に再放送
https://www.wowow.co.jp/drama/original/yoruga/


■連続ドラマW 夜がどれほど暗くても/プロモーション映像(60秒)【WOWOW】


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10月スタート秋ドラマまとめ

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  • 11月22日(日)スタートの「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」で主演を務める上川隆也
  • 【写真を見る】どんな状況に追い込まれても、志賀(上川隆也)は自身の信念に基づいて行動していく
  • SNSやメディア報道だけでなく、週刊誌を生み出す編集部のリアリティーある描写にも注目
  • 針のむしろとなりながらも、志賀(上川隆也)は息子の真実にたどり着くことはできるのか

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夜がどれほど暗くても

出演者:上川隆也 加藤シゲアキ 岡田結実 鈴木浩介 霧島れいか 葉山奨之 辰巳雄大 高橋克実 高嶋政伸 羽田美智子 原田泰造 

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ドラマ特別企画「テミスの剣」

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