宮崎あおいとのトークに加え、新垣結衣、山崎賢人のエピソードも! 三木孝浩監督デビュー10周年イベント開催
「くちびるに歌を」での新垣結衣の役作りとは?
続いて「くちびるに歌を」(2015年)を上映。ティーチインで、「お兄ちゃん役の渡辺大知さんのお芝居がとても良かった。現場ではどんな演出をされたのか?」という質問に、「この作品において、渡辺大知くんが演じたお兄ちゃんの出す空気感というのが素晴らしかったです。最初にご本人と一緒に自閉症の方がいる施設にお伺いして、先生と一緒にいる姿とかを拝見したのですが、自閉症スペクトラムといってもグラデーションがあって、人それぞれのキャラクターがあるというところを、渡辺大知くんがいろいろな人のしぐさを見てミックスして現場でやってくれて、それが本当にすてきだなと思いました」と回答。
「また、撮影前に見てもらったのが『ギルバート・グレイプ』(1993年)という作品で、その映画でレオナルド・ディカプリオが演じた知的障害者の方のお芝居が素晴らしくて。『くちびるに歌を』の中で、車で3人並んで映っているシーンがあったかと思うんですけど、あれは個人的に『ギルバート・グレイプ』のジョニー・デップとジュリエット・ルイスとディカプリオが3人並んでトラックで走るシーンが大好きで、僕の中でちょっとしたオマージュになっていたりします」と裏話を明かす。
「当時の生徒役の子たちが今たくさん活躍しているが、当時からその可能性を感じたか?」という質問には、「今だと恒松祐里ちゃんや、葵わかなちゃん、佐野勇斗くんだったりがそれぞれの世界で頑張っているのはうれしいなと思いますけど、当時はどちらかというと俳優というよりは、生徒の子たちと地方に合宿に行っているような気分で撮影をしていたので、自分の中で役者と接しているというよりは生徒と接しているような感覚でした」とコメント。
「実は、僕自身もびっくりしたのが、クランクアップの日にみんなと撮影が終わった後に初めて泣いたんですよ。これって先生が生徒と別れるときに感じるやつじゃんと思って(笑)、他の撮影ではそういうことがなかったんですけど、この映画のクランクアップでは生徒たちが最後に泣いているのを見たら、僕だけじゃなくてスタッフももらい泣きしていました」と振り返る。
さらに、「ガッキー(新垣結衣)が役作りのために、子どもたちと距離を置いていたというのは本当か?」と問われると、「はい(笑)、そうなんですよ。厳しめのツンデレ先生だったので、現場で生徒役の子たちとは親しくしないというか、役の上での関わり方を徹底してやっていたので、クランクアップ後の打ち上げでめちゃめちゃフランクに話していて、逆に生徒役の子たちがびっくりしていました(笑)。
新垣(結衣)さんともずっと合宿状態で、東京に帰ることなく泊まり込みで撮影をしていたので、一緒に遊びにいったりとか、川遊びをする機会もあって、すごく楽しかったです」と話した。