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「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」が代理出産やLGBTを扱った『サロガシー』に決定

2020/11/27 06:00

「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」授賞式の様子
「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」授賞式の様子(C)フジテレビ

坂元裕二、野島伸司、橋部敦子、浅野妙子、黒岩勉といった数々の人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」の第32回の受賞者が決定。11月26日に授賞式が行われ、1567作品の中から的場友見さんの「サロガシー」が大賞に選ばれた。

同作は、主人公・江島環(28)がゲイである兄・江島聡(38)のために、代理母(=サロガシー)として妊娠出産することを決意する物語で、その両親や周囲の心境、主人公の生き方を描いたストーリーとなっている。代理出産、LGBTなどセンシティブな題材だが、登場人物を身近に感じる人物像として丁寧に描きだし、人間的魅力で飽きさせずに展開していく構成が巧みであり、かつ医療制度、法律、社会通念、倫理観など、さまざまな問題に真摯に向き合っていることなどが高く評価された。

審査委員長の澤田鎌作氏(フジテレビ第一制作室)は、同作を大賞に選んだ理由を「最終選考では、流し打ちで内野の間を抜くバッティングではなくフルスイングでホームランを狙える将来の4番バッター候補を選ぶ、という方針のもと議論を重ねた。大賞はまさにそんな作者ではないか。一見、奇をてらった設定のようでいて、その人物造形は非常に丁寧で、代理出産の問題やLGBTの方々が直面している状況に対し真摯に向き合い、現状の問題点を浮き彫りにした上でエンターテインメントとして物語を構築できている。その手腕は今後の活躍を大いに期待させた」と語った。

また、佳作には湯田美帆さんの「東京バナナ」、横尾千智さんの「ふぁってん!」、山崎力さんの「男は背中を語る」の3作品が選ばれた。

「東京バナナ」は、大阪生まれでぜんそく持ちの小学5年生・公太が、人気者の同級生にお笑いコンビを組もうと持ち掛けられ、公太の東京への引っ越しなどさまざまな障害を乗り越えて、二人が漫才師になっていくドラマを描いた、パワーあふれる作品。

「ふぁってん!」は、夫への不満を持つ人見真希が“報復”の一つとして行った“夫の宝物・マウンテンバイクのチェーン切断”の現場を無愛想な隣人の奏に見られてしまうが、その出会いによって、真希は夫に今までの“嫌い”を全部吐露し家を出て行く決心をするという、日常に潜むざらっとした狂気や人物の心境の変化が描かれている。

「男は背中を語る」は、駅で痴漢と間違えられて悩む若い男性・眞野が、偶然通りかかった初老の男二人に誘われ、女性の背中を見て妄想を言い合う変態的な遊びに参加するようになるという奇妙な経験から、女性には女性の事情があるということ、思いやる必要があるということに気付き、変わっていく姿を描くストーリー。短いセリフと掛け合いのリズムが心地良い特徴的な作品。

下に続きます
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画像一覧
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  • 「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」授賞式の様子
  • 【写真を見る】大賞に選ばれた的場友見さん
  • (写真左から)横尾千智さん、的場友見さん、湯田美帆さん、山崎力さん
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