「エール」窪田正孝&二階堂ふみ、“コロナ禍”乗り越え素敵な夫婦の物語を見せてくれた2人に感嘆
オリンピックで終わりじゃなかった
1話に戻ったところでドラマは終わるかと思ったら、まだ続きがあった。音が病に臥せってしまうのだ。
朝ドラでは、主人公(夏木マリ)自体が亡くなったた「カーネーション」(2011年度後期)、主人公(玉山鉄二)の愛妻(シャーロット・ケイト・フォックス)が亡くなった「マッサン」(2014年度後期)、主人公(波瑠)の夫(玉木宏)が亡くなった「あさが来た」(2015年度後期)と、10年代はBKこと大阪局制作作品がメインキャラの死を描くことが多いのだが、「エール」はAKこと東京局制作作品。
それはともかく、裕一と共に歩み、支えてきた音がすっかり弱ってしまった姿は哀しい。でも彼女が亡くなる場面はなく、裕一とふたり、海で走り、ピアノを弾き歌うという幻のような世界が描かれ、あとは視聴者の想像に託された。
私たちがこれまで楽しんできたオープニングの映像は、音が病のなかで見た夢だったのか?というようなおどろきの展開でもあった。
また、裕一の前に立ちはだかる作曲家の大御所・小山田(志村けん)の本心を語る手紙が手渡された場面も、亡くなった志村が生前、撮影中、偶然鏡に映ったときの笑顔が使用され、話題を呼んだ。
異例のカーテンコール
幻のような場面のあとは、役でなく演者としての窪田正孝と二階堂ふみが画面に現れ、最後の最後の120回は「特別編、人気キャラクター総出演によるカーテンコールをお届けします」と予告。
続く120回は、NHKホールで撮影された、「とんがり帽子」(歌:御手洗役・古川雄大、藤丸役・井上希美、夏目千鶴子役・小南満佑子、子役たち)、「モスラの歌」(歌:井上希美、小南満佑子)、「福島行進曲」(歌:古川雄大)、「船頭可愛や」(歌:久志役・山崎育三郎 ギター演奏:鉄男役・中村蒼)、「フランチェスカの鐘」(歌:藤堂昌子役・堀内敬子)、「イヨマンテの夜」(岩城役・吉原光夫)、「高原列車は行く」(歌:光子役・薬師丸ひろ子)、「栄冠は君に輝く」(歌:藤堂役・森山直太朗、山崎育三郎)、「長崎の鐘」(歌:音役・二階堂ふみ)という豪華な歌謡ショーだった。