米中対立が先鋭化する世界中の現場からのルポルタージュ＜NHKスペシャル パンデミック 激動の世界＞
12月6日(日)の「NHKスペシャル」は、シリーズ「パンデミック 激動の世界」の第5回「コロナ禍 米中 新たな“冷戦”」を放送。米中対立が新たな局面に入り、国際秩序はどう変化していくのか、その中で日本の進路はどこにあるのか。うごめく世界中の現場からのルポルタージュと、知の巨人たちとの対話を通じて“新冷戦”の行方を考える。
世界的にまん延した新型コロナウイルス。世界が一丸となって立ち向かわなければ克服できないこの正念場で、リーダーとなるべき二つの大国、アメリカと中国が対立を激化させている。
世界最多の感染者を抱える米国。トランプ政権は「中国が世界に感染を拡大させた」と批判。通信機器メーカーのHUAWEI（ファーウェイ）や、ショートムービーアプリのTikTokといった中国企業の排除に乗り出すなど圧力を強化し た。
一方 、 いち早く新型コロナウイルスを“克服”した中国は、コロナ外交で各国への支援を開始。世界に影響力を広げる一方、南シナ海などで軍事的な活動を活発化させている。
両国の対立は、貿易摩擦のレベルから安全保障やイデオロギーのレベルまで深まり、世界は再び冷戦時代のように分断されようとしている。
米中は、新型コロナウイルスのワクチン開発でも先陣争いに没頭。アメリカが脱退を表明したWHOも十分なリーダーシップを発揮できず、先進国がワクチンを先物買いで囲い込む「ワクチン・ナショナリズム」と呼ばれる状況が生じている。このままでは発展途上国にはワクチンが行き渡らず、パンデミック収束に暗い影を落としそうだ。
11月のアメリカ大統領選挙では、民主党のバイデン氏が勝利をほぼ確実にした。新大統領の下、ワクチン開発などで一国主義から国際協調へと転換し、悪化した中国との関係も改善することを世界は期待している。しかし、対立の根本には世界の覇権を巡る争いがあるだけに、道のりは楽観できない。
台湾、ブラジル、東ヨーロッパ、そして日本など、米中対立が先鋭化する世界中の現場からのルポを放送。国際秩序の変化や、日本が取るべき進路を、大越健介キャスターと知の巨人たちとの対話を通じて考える。
大越キャスターが対話する知の巨人たちは、マレーシアのマハティール前首相、中国の「環球時報」胡錫進（コ・シャクシン）編集長、台湾の蔡英文総統のブレーンで、日本でいう内閣官房副長官を務めていた姚人多氏、アメリカ・クリントン政権時代の国防次官補グレアム・アリソン氏、国際政治学者イアン・ブレマー氏。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
第5回「コロナ禍 米中 新たな“冷戦”」
2020年12月6日(日) 夜9:00ｰ9:50NHK総合
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