小さな工場で不良品のチェックをしている清水萌子美(小芝風花)。仕分ける速度が他の従業員に比べて速く、黙々と仕事をしていた。
ある日のこと、萌子美は他の従業員が仕分け終わった部品に不良品があるのを見つけ、思わず「その子、ケガ――」と言いかけてしまう。実は萌子美には、感情を持たないとされている“モノ”の気持ちがわかってしまうという繊細な“感覚”があったのだ。
幼いころは、この感覚を隠すことができず、“モノ”の気持ちを“代弁”することで、周囲との間に波風を立てることも少なくなかった。
工場でもどこか周りから浮く萌子美は、工場内の高い位置にある窓を見て、突然チーフ従業員に、あの窓を掃除した方がいいのではないかと言い出す。
しかし、清掃業者が当分来ないとの返事に、思わぬ行動に出てしまう。そのことが結局、周囲に迷惑を掛けてしまうことに。
萌子美の母・千華子(富田靖子)は娘が工場で問題を起こしたと知らされ、頭を痛める。萌子美が他の子どもたちとどこか違うことに長年悩み、何事もなく暮らしてほしいと願いつつ、それすらかなわないことに不安を抱き続けていた。
それでも夫の伸寛(田辺誠一)や、萌子美の兄で長男の俊祐(工藤阿須加)と共に、自分なりに娘をサポートしてきたのだった。
数日後、萌子美は22歳の誕生日を迎えるが、ある理由から工場に行きたくないと言い出す。この日だけ穏便に過ごしたいと、千華子は娘の言うことを聞くことに。
その夜、家族そろって萌子美の誕生日のお祝いをしていると、訪問者がやって来る。
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