加藤シゲアキの小説が直木賞候補に「お正月前にこんなにおめでとうと言ってもらえるなんて」<会見一問一答>

2020/12/18 05:00 配信

芸能一般

加藤シゲアキの小説「オルタネート」が直木賞候補に撮影=阿部岳人

NEWSの加藤シゲアキの小説「オルタネート」(新潮社刊)が、第164回直木賞の候補作となり、17日会見が行われた。小説「オルタネート」は、高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代を舞台に、三人の若者の姿を描く青春群像劇。LGBT、SNS や動画配信、遺伝子相性診断など、現代社会に接続される題材を描きながら普遍的な青春ドラマへと昇華させている。加藤は今回のノミネートに「本当にビックリです」と喜びをあらわに。「若い人たちが小説を読むきっかけになれば」と今作に込めた思いを語った。第164回直木賞の選考会は、2021年1月20日(水)に行われる。

以下、取材陣との一問一答

ノミネートを聞いたときの気持ちは?

ビックリしましたね。作家にとっての憧れの賞ですので、もちろんいつかは候補になってみたいと思っていましたが、今作でなれるとは思っていなかった。本当にビックリという感じです。

ご自身で思う選考理由は?

全く分かりません(笑)。今までの作品が違うかと言えば、いつも全力でやってきたので、今回は本当に運が良かった、という風に自分では受け止めるようにしています。
僕も小説書いている側ですし、読むのも好きなんですけど、ずっとノミネートされている作家さんもいる。それでもなかなか「この方が取ることができないんだ」と思うこともありますし、そういう方々と並んだとは思いませんが、ある程度の部分は認めて頂けたのかなと思っています。

いつ頃から賞を取れたらと思っていた?

ずっと思っていました。ずっと思っていたのは「賞が欲しい」ということではなく、普通の作家だと新人賞を取ってから本を出すのが通例なのにも関わらず、自分はジャニーズ事務所のタレントという立場でデビュー作の「ピンクとグレー」(KADOKAWA刊)から本を出させてもらっていた。そうした引け目というか文学界、小説界にお邪魔しているという感覚があったので、ちゃんと作家を名乗っていいのかという迷いがずっとあった。今回直木賞の候補となったことで多少認めて頂けたのかなと思っています。

候補になった際の感情を作家風に言うと?

「驚愕」ですね(笑)。イマイチ信じられなかったというか、ピンとこなかったですね。ご心配をおかけしたかと思いますが、僕、コロナにかかっていまして。外出できない期間、一応一回目の陰性が出たタイミングだったので、体調は万全だったんですけど、仕事のめどが立たなかったりだとか、かけてしまった迷惑を感じる日々だったので、少し気落ちしていた部分もあって。その時にこの直木賞候補の知らせがあったので、フットボールアワーの後藤輝基さん風に言うと「高低差ありすぎて耳キーンとなる」というか(笑)。本当にキーンとしました、その時は。「なにこれ」って(笑)。

今回のノミネートは誰にも伝えてない?

基本的には知らせてないですが、NEWSのメンバーだけには昨日マネジャーさんを通じて伝えさせていただきました。自分で言うのも恥ずかしいのでマネジャーさんから伝えてもらったんですが、増田からは「僕は本を読まないのでよくわからないんですけど、すごい事なんですよね?」と。小山も「すごいね」とかみしめるように喜んでくれたと聞いています。
僕自身もすごくうれしいことですけど、あくまでも候補ですし、はしゃがないように粛々と受け止めようという気持ちでいます。祝ってくれる分には…と思っていますけど、小山はこの間「ゴチになります!」で21万円支払っていたので、逆におごってくれよと言われるかもしれません(笑)。

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