加藤シゲアキの小説が直木賞候補に「お正月前にこんなにおめでとうと言ってもらえるなんて」<会見一問一答>
執筆の支えとなったのは?
初めて書いたときは、自分もグループに何かできないか、自分を試してみたいという思いがありましたが、ここまで続けて来れたのは本当にたくさんの方の支えがあったからだと思います。ファンの方の多くの支えもありますし、はじめて「ピンクとグレー」で書店回りをしたときに、書店員の方々に「一作目は応援できるけど、書き続けないと応援できない。応援し続けられない。応援し続けたいから書き続けてください」と言われたのが印象的でじた。僕もいっちょがみしたとは思われたくなかったので、続けることが自分を受け入れてくれた小説界に対する恩返しなのかなと。続けていくうちにすっかりルーティーンというかライフワークというか。小説を書くのが当たり前という生活になっていましたね。
1月の発表までどんな気持ちで過ごすか
あまり考えないようにと思ってます。今までは一読者として直木賞や芥川賞の選考を楽しみにして、作品を予想していたのですが、まさか自分が予想される側になるとは思っていなかった。考えれば考えるほどドキドキしますし、選考委員の方々の批評が厳しいのも知っているつもりなので、ここは煮るなり焼くなりという覚悟でもありますし、ここまで来れただけでも十分だなと。淡々と過ごしたいと思っていますね。
でも受賞はしたい?
あまり考えていないです。もう候補になっただけで十分という感じです。
候補に選ばれた理由について説明はなかった?
なかったです。今まで関わっていただいた編集の方々からは、自分で言うのも照れくさいですけど「今までで一番いい作品だった」という話を頂きましたし、今年偶然にもコロナのタイミングでリモートだったりデジタル化が進んだタイミングで、マッチングアプリやSNSという題材が時代と多少リンクした部分もあったのではないかと思います。
選考委員の方々が候補を選ぶ段階で、何段階かの審査を経て候補に選んでくださったということですので、それだけで十分かなと思います。