<おちょやん>杉咲花が“名女優”を演じるにふさわしい理由 熱意も空回りも自在な演技力に感服
あえて下手くそな演技も
ただ、いまはまだ千代は発展途上。だからあえて“下手くそな演技”の演技もしないとならない。それも杉咲は的確に愛嬌をこめてやっている。
東京出身にもかかわらず、関西弁が完璧と話題になっている杉咲。しかも、千代の関西弁はややガラの悪い物言いもあるがそこを澄んだ高音で、軽妙に、深刻に成りすぎずに聞かせるテクニックもさすがである。
身体表現もさりげなく豊かで、座布団を何枚も重ねて、人混みをすばしこく駆け抜ける動きなどにも目をみはるものがある。さすが、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(2019年、NHK総合)で陸上選手になりたい役・シマを演じ、いい走りを見せただけはある。身のこなしが軽快で、ときおり、くるりと身を翻す様は、画面のいいアクセントになる。
下に続きます