11月19日に発売し、第164回直木三十五賞にノミネートされたNEWS・加藤シゲアキの小説「オルタネート」が1月5日、発売から2カ月たたない異例のスピードで10万部を突破した。なお、加藤が文学賞にノミネートされることは初であり、アイドルが直木賞の候補作に選ばれることも今回が初めて。
加藤は、2012年1月に「ピンクとグレー」で、小説の世界に鮮烈なデビューを果たして以降、NEWSとしての芸能活動の傍ら、作家としても活動を続け、数々の話題作を世に送り出してきた。
そんな加藤の3年ぶりの新作長編となる「オルタネート」は高校生限定のSNS“オルタネート”が存在する世界で、インターネットと現実の2つの社会に翻弄(ほんろう)されていく少年少女を描いた青春群像劇。
加藤は「オルタネート」について、かつて「『生徒』だった頃の光景が薄れないうちに書かなければと思っていました。創作なのに、これは間違いなく僕の物語です」と語っているが、事実、反響は若年層にとどまらず、作品を読み終えた書店員から「夢を追う若者たちはもちろん、夢を持つ大人たちに紹介したい」「もう一度、若いころに戻ったような感覚」「自分だけの大切な物語になりました」とコメントが寄せられるように、世代・性別を問わず多くの共感を集めている。
マッチングアプリ、LGBT、SNSや動画配信、遺伝子相性診断など、現代社会の題材を克明に描いているものの、あくまで「オルタネート」で描かれているのはリアルで切実な人間ドラマ。
誰しもが楽しめる普遍性を備えた青春小説に仕上がっている点も、話題性だけにとどまらずにヒットを続けている背景にあるようだ。
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