＜おちょやん＞ファーストサマーウイカも登場！杉咲花“千代”、撮影所という“別世界”へ
そんな現場で千代も“通行人”役で悪目立ちしすぎて役をおろされるなど、まだ見当外れな行動が目立つ。千代の演技力が発展途上であることはこれまでも再三描かれてきたし、そもそも千代の演技経験といえば岡安時代の代役舞台での女中役と、一夜漬けで臨んだ「正チャンの冒険」のみ。映画の現場にいながら、映画鑑賞もほとんどしたことがないのだ。
大部屋女優の洗礼も受けた。先輩女優の弥生(木月あかり)や絹江(和泉)、京子(めがね)は千代に「新人は誰よりも早く来て、お部屋の掃除するのが当たり前」「ちょっとぐらい撮影に遅れたかてどうってことあれへん」と好き勝手怒鳴り散らし、「口利きで入った素人が現場止めて困る」と言いふらす。「岡安」時代はライバル茶屋のお茶子たちを言い負かしていた千代だが、ここでは構える間もなく先制パンチをくらった状態だ。
“別世界”を“自分の世界”に
だが、1月19日放送の第32回では、千代が千代らしさを発揮していく片りんも垣間見えた。
役がもらえなければ、空いた時間を使って髪結い見習いとして立ち働き、またたく間に技術を習得して「いつか髪結いの役やるかもわかれへんやろ？何事も経験や」とにっこり。学ぶことに貪欲な姿勢は、千代の真骨頂だ。
てきぱきと働く千代の要領の良さは、仕事に厳しい美髪部主任・たつ子(湖条千秋)も思わず感心するほど。現場に遅れそうな弥生が切羽詰まって飛び込んでくれば「覚えたてだす。不出来やったらごめんやす」と見よう見まねで髪を結い、助けてやる。そして、その行動一つ一つが大部屋での千代の立場を変えていく。
女中時代の延長で何とかなっていたこれまでとは全く違う“別世界”に足を踏み入れてしまった千代。まだペースは乱されっぱなしだが、高城百合子(井川遥)や一平(成田凌)ら、かつて触れ合った人々も顔を見せ、少しずつ風向きが変わってきそうな雰囲気だ。千代がここから、持ち前の向上心とガッツで撮影所をどう“自分の世界”にしていくのか楽しみだ。
1月20日(水)は第33回を放送する。大部屋女優で中心的な存在の弥生のピンチを救ったことで、撮影現場への復帰を果たした千代。しかし現場でまた失敗し、女優を続けたいなら今すぐ恋をしろと忠告を受ける。千代は真理(吉川愛)の助言もあり、助監督の小暮（若葉竜也）に恋人のフリを頼むことを思いつく。勇気を出して伝えるが、その一部始終をなぜか一平(成田凌)に目撃される。(文＝ザテレビジョンドラマ部)
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毎週月～土曜朝8:00-8:15ほか
NHK総合ほかで放送
※土曜は月～金曜の振り返り
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