山口紗弥加「無防備な私たちがそのまま出ているなと思う瞬間も」
――台本を読まれた時の感想はいかがでしたか?
香菜、優子、茜という年代も境遇もバラバラの3人の掛け合いがとても面白くて。それぞれの世代を背負ったようなセリフも多く、物事に対する感覚が年代によってこんなにも違うのかと驚きました。
思ったことをそのまま直球で言葉にする人たちなので、時にはケンカにも似たやり取りが繰り広げられるのですが、それがなんとも爽快で、気づくと笑顔になっていました。それぞれのキャラクターがとても生き生きと描かれていて、個性派揃いのチーム戦の行き着く先が楽しみです。
――元バスケ部で、“ステキ主婦”からふびんな妻へ転落した主人公・香菜を演じるに当たって、どのような準備をされましたか?
日本最高峰といわれる桜花学園高等学校のバスケットボール部の皆さんの練習を見学させていただきました。本物の試合さながらのハードな練習を目の当たりにして、だからこそ、ストレス耐性も身に付くのだろうなと感じました。台本を初めて読んだ時に、実はどうしても分からないことがあって…香菜はどうしてこんなに酷い夫を献身的に支え続けることができるのかなと不思議に思っていたのですが、それはきっと部活動で培われた根性や、困った時こそ笑顔で突破口を見つける習慣が身に付いていたからなんだと納得でき、とても勉強になりました。
また、バスケットボールについて漫画「スラムダンク」で勉強したり、指導してくださった先生が、上達するためにはとにかくボールと触れ合うことが大切とおっしゃっていたので、ボールを胸に抱いて眠っていました(笑)。
――実際にバスケットボールをやるシーンの撮影もあると思うのですが、手応えはいかがですか?
初めての練習ではできなかった、例えば、ボールから目を離した状態でのドリブルがたった数回でもできるようになると、小さな達成感があって、私の中でのささやかな自信につながるようなところもあって。何かをクリアする、乗り越えることって想像以上に大きな力を与えてくれるのだと、思い出させてくれました。
――財前さん、桜庭さんとの撮影の雰囲気はいかがですか?
「何だ?この居心地の良さは...!」と思えるほど、楽しすぎる現場です。1日顔を合わせないだけでも、寂しいなと思ってしまいます。とくに3人の掛け合いのシーンでは、カメラが回っていないところでの無防備な私たちがそのまま出ているなと思う瞬間もあったりして。演技をしている感覚はほとんどゼロです(笑)。