「朝ドラ史上最低の父」トータス松本“テルヲ”に視線集中!ヒロイン輝かせる“ダメ父”の歴史を振り返る

2021/01/31 16:13 配信

ドラマ

トータス松本演じる竹井テルヲ (C)NHK

テルヲが最終的には人気キャラになる可能性も


ところが「おちょやん」のテルヲは、いまのところ、千代を金づるにしているだけで何もしている様子がない。

たいていの朝ドラの父が、ヒロインの第一のステップボードであることに対して、テルヲは、千代が自立しようとすることを毎度毎度、阻む存在になっている。

何が朝ドラ史上最低かといえば、「しつこい」ということだ。ねちっこく、何度も何度も現れて千代の邪魔をする。ゾンビのようになかなか死なない。

この繰り返しにより、最低で不愉快だけど気になるようになっていて、最終的には人気キャラになる可能性をもっている。いや、すでにその気配はある。

演じているのが、愛嬌のあるトータス松本だからということもあるだろう。多くの人に愛されるロックミュージシャンであり、俳優業が専門ではないから、とことん悪には見えなくて、どこか自由なにおいがしている。

「借金大王」という歌も歌っているので、歌と反対の借金大王役というのも話題になっている。

1月29日、朝ドラのあとに放送されている情報番組「あさイチ」にゲスト出演したとき、嫌われることに躊躇しながら、誰もにテルヲのような部分があるのではないか、ひどい後妻を娶った理由は、最愛の妻を亡くし、希望を失い傷ついているからではないか、と解釈を語っていた。

そう、朝ドラのお父さんは皆、どこか哀しい。でも、お父さんは家族のリーダーであるから誰にも甘えられない。娘が強くなればなるほど自分の立場がなくなっていく(「カーネーション」はそこをしっかり描いていた)。

だからこそテルヲには、いつかその哀しさを乗り越えて、これまでの借りを返してほしい。

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