香取慎吾の長ぜりふに感服！“万丞”が密かに追い続けるものも徐々に明らかに＜アノニマス＞
香取慎吾が主演する連続ドラマ「アノニマス～警視庁“指殺人”対策室～」(毎週月曜夜10:00-10:54、テレビ東京系)の第3話が2月8日に放送。殺人を犯した少年の個人情報が晒された事件が描かれ、クライマックスで主人公・万丞(香取)が発した長ぜりふが圧巻だった。(以下、ネタバレがあります)
罪を犯した少年への万丞の言葉
本作は、インターネットの誹謗中傷問題に焦点を当てたクライムサスペンス。タイトルの「アノニマス」とは、日本語で匿名を意味する言葉で、ネット上の匿名比率が他国と比べて顕著に高い日本の社会問題に切り込む。
“キーボードによる殺人＝指殺人”に対応するため警視庁に新設された“指殺人対策室”を舞台に、毎話、異なる題材のSNSなどの誹謗中傷に苦しむ人々の事件を解決に導く様子が描かれているが、第3話は少年法を鍵に、”正しいこと”を問い掛けた。
ホームレス殺害事件を起こした高校生・片山蓮(青木柚)の個人情報がネット上で晒され、父親の遼太郎(戸田昌宏)が指殺人対策室に最初に情報を上げた犯人を捕まえてほしいと依頼。万丞、咲良(関水渚)らが捜査を始めると、やがて人を見下す蓮の本性が浮き彫りに。
その価値観は大病院の院長である父親から刷り込まれたもので、また、父親にテストで満点を取れなかったことで暴力を振るわれた夜、公園でタバコを吸っているところを注意されたことでホームレスの男性を殺してしまったのだった。
捜査の結果、最初にネットに書き込んだのは蓮と同じ美術部の生徒と分かるが、さらに蓮の父親に関する情報が闇サイトにアップされ、その犯人は蓮の父親からの苦情に恨みを持っていた学校の教師だった。
その後、咲良と共に蓮に会いに行った万丞は、ネットで晒され自分の人生は終わったとばかりでなおも本来の罪を償う気持ちが見えない蓮に、殺されたホームレスの男性には名前があることと、「1人しか存在しない人間」というその人生をとうとうと語って聞かせた。
悲しみをたたえた眼差しで、3分近くの時間をかけた長ぜりふ。今回の香取の見せ所で、万丞という役を大切に、丁寧に演じているのが感じられた。視聴者からも「泣けた」「抑えた中の熱い演技が凄くいい」といった声が寄せられ、Twitterのトレンド入りをした。
物語としては、人を見下す価値観を持ってしまった蓮、“毒親”であった蓮の父親、「バズったら楽しくなっちゃって」と言った美術部の生徒、蓮の父親に対して「あんなクズ晒して何が悪いんですか」と言った教師。そんな人々の姿は、視聴者の心にざらりとしたものを残したのではないだろうか。最後に万丞らの面会に同席していた蓮の母親(紺野まひる)が、正しいこと、間違っていることをきちんと教えてこなかったことを詫び、「これから2人で一緒に償っていこう」と言ったのが救いだった。
毎週月曜夜10:00-10:54
テレビ東京系で放送
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