市原隼人、三谷幸喜作品初出演「夢の中にいるみたいに楽しくて(笑)」
シルビア・グラブ コメント
――今回の出演のお話が来たときの率直な感想は?
びっくりしました。三谷さんからまず連絡が来て、「来月何やってる?」って(笑)。まさか、呼んでいただけるとは思っていなかったのですが、スケジュールの調整もついて、出演できて良かったです。
――台本を読まれての感想。
三谷さんはコメディー色が強いものをよく書かれているのですが、初めに台本を読んだときは、実はコメディー色はあまり感じられなかったんです。
ちょっと珍しいなと思ったんですけれど、演じてみるとやっぱり面白い。個々のキャラクターもきちんと立っていて、全て分かった上で書かれている台本だと思いました。
――今回の役を演じるに当たって。
今回のキャラクターがわりと抑えめな印象なので、舞台でのお芝居のような大きい表情や動きをしないように、かなり努力しました(笑)。普段の動きの大きい、明るいシルビアでやってはダメなんだろうなと思って。
多分、今まであまり見たことのないキャラクターにしたいんだろうなということを、メッセージとして受け取りました。
――実際に演じられての感想。
すごく楽しんで演じさせていただきましたが、どう映っているのか?放送がすごく楽しみです。ドラマはシーンの順番に撮らないこともあるので、特に“凪子”というキャラクターについてはどう仕上がっているのだろうか、全く想像がつかないです。
萬斎さんとは初めての共演でしたが、お声に特徴があるので、その声の響きを間近で聞けたことはすごく勉強になりました。そしてあのすごいセリフ量のシーンに、その場にいられることもすごく幸せでした。
本堂家は、山本さんがムードメーカーになっていたので、和気あいあいと現場の空気が明るくなっていました。松坂さんもおだやかで。あまり映像の現場を経験していないので、初めは少し不安を感じましたが、最初から皆さんが話し掛けてくださったので、ちょっとホッとしました。舞台の稽古くらい濃厚な時間を過ごすことができました。
――最後にメッセージをお願いします。
脚本も素晴らしいし、演者も素晴らしいし、監督の演出も素晴らしいので、演じていてすごく楽しかったですし、それは絶対伝わると思います。
また、ロケ場所の美しさやセットの世界観もいざなってくれたので、演じる側としてはすごく助かりました。サスペンスの中にもコメディーの要素があって、それを分かっているスタッフ・キャストの皆さんが作り上げている作品、絶対に面白いと思います。ぜひ、ご覧くださいね!
市原隼人コメント
――今回の出演のお話が来たときの率直な感想は?
三谷さんの作品に出演させていただくのは初めてだったので、率直にうれしかったです。直接お会いしたことはなかったのですが、舞台や映画やドラマで演じる上で、いつも(存在を)感じている方だったので、わくわくしました。
イギリスのミステリーの女王と言われる、アガサ・クリスティの作品の世界観に入れるということもうれしかったです。
――台本を読まれての感想。
今回の三谷さんの脚本は普段、人に見られたくない感情や繊細な影の部分を書かれているのですが、せりふが自然と体になじみ、気がつくと作品全体のテンポに乗せられ、読んでいくうちにどんどんスピードが上がっていく脚本から、すぐにその世界観に入り込むことができ、感激しております。
――今回の役柄を演じるに当たって。
そもそも、日本人がアガサ・クリスティの作品をやるというのはどうなのかな?と初めは思ったんですけれども、日本に武士がいたように、イギリスにも騎士がいて。おのずと主君に仕える精神、家族に対する思いは似ているところがあると思うんです。
そう置き換え、その主君が母親であり、血のつながりを大切にしながらも「母親に見せていかなくてはいけない姿」というものを、自分の中で使い分けることに注意しました。
また、主水は母親の支配下にいる、外の世界を知らない人間で、どこかぎこちない部分があると思いますので、常に自然体ではない影のある男という人格を見せたいと思いました。母親が囲む陣地の中から出るべきか…己との葛藤やさまざまな環境での心の逡巡、繊細な感情から来る動きも意識しました。
――実際に演じられての感想。
主水は、本当は殻を破って新たな自分の人生を切り開きたいけれども、その勇気が持てない。今、なかなか自分を出し切れない現代の人とも似ている気がしましたし、自分の心も投影しながら演じました。
――撮影現場はいかがでしたか?
僕はもう夢の中にいるみたいに楽しくて(笑)。萬斎さんとは「陰陽師II」(2003年)で、鈴木京香さんとはデビューして間もないころにご一緒させていただき。またあらためて、こうして時を経てご一緒させていただくと、照れくさいような、はがゆいような…実際、すごくうれしかったです。
「役者の醍醐味(だいごみ)とは、また違う役でこうしてお会いすることなんだな」と感じさせていただきました。そして、「蒲田行進曲」(1982年)は、僕が1番好きな映画といっても過言ではない映画なので、その松坂さんの息子役を演じることができたことも、すごくうれしく、舞い上がる思いでした。
萬斎さんが作り上げる勝呂は、これはもう萬斎さんにしかできない、唯一無二のお芝居というか“表現”で、同じ時間を過ごさせていただき、とても勉強になりました。
実際の撮影は、緊張感のあるシーンが続いたのですが、その半面、カットがかかるとみんなで「こう演出しようか?」とか「こういう人間性や関係性にしていこうか?」など包み隠さず、壁を作らずに一緒に制作していける現場で、すごく居心地が良よかったです。
熊野古道でのロケも、とても気持ちが良くて。われわれが住む日本にまだこんなに素晴らしい所が残っているんだなと。ご覧いただく視聴者の皆さまにも、いろいろな日本のわびさび、古い伝統を残していく場所があるということを感じていただきたいです。
――最後にメッセージをお願いします。
年齢や性別を選ばず、純粋に楽しめるエンターテインメントです。ぜひ、皆さまにもいろいろ推理や意見を交わしながら見ていただくことで、人と人との絆が、また深まることを願っております。