<世界一受けたい授業>オフィスで働く松丸亮吾に密着「目標点は“謎解きを文化にする”ということ」
――代表取締役として、リーダーシップの面で意識していることはありますか?
いわゆる社長っぽく振る舞わないようにしています。もちろん席はありますが、社長室もありません。社長室のノックがすごく非効率だなと思っているんです。あのノックがあることで気を使って、いわゆる格上の人に言うという感じになっちゃうので。
そうではなく、後輩からも「松丸」って呼び捨てされてもいいぐらいです。それぐらい距離が近い方がお互いぶつけ合えるので。言いづらいことも隠さないでねということは(社内で)ずっと言っています。
――さまざまなメディアで活躍の場を広げている松丸さんですが、謎解きを広めるために意識していることなどはありますか?
エンタメの業界って、やはり移り変わりが激しいですよね。謎解きについても、今は絵1枚で解ける問題を出していますが、これもいずれ飽きがくるはずです。なので動画の謎解きを作ったり、Web上で遊べる謎解きを作ったり、変化球を出そうとしています。
例えば最近では、大学入学共通テストの時期に「もしセンター試験が謎解きだったら…?」というテーマで「謎解き共通テスト」というキャンペーンをして、日本のトレンド1位になりました。これは、「この時期(共通テストの時期)だったら、こういうテーマにしたらバズるんじゃないか。そういうテーマの謎解きを作れないか」という発想から始めているんですよね。他にもTikTokやYouTubeなど、いわゆる若者の使うメディアも常に勉強していないと、と思っています。
最近ではClubhouseのアカウントも作りましたが、(音声といえば)以前ラジオで、手拍子や指パッチンを入れることで、「音だけで解ける謎解き」を作ったこともありました。再生産ではなく初めてのことをいろいろやって、1個ずつ謎解きに対するハードルを取り去っていけたらと思っています。
――VTRでは将来のプランについてお話するシーンも出てきますが、今後実現したいことは何ですか?
目標点は「謎解きを文化にする」ということです。実は謎を解くことは、多湖輝先生の「頭の体操」、ゲーム「レイトン教授」シリーズ、テレビ番組「脳内エステ IQサプリ」(2004~2009年ほかフジテレビ系)など、ブームとしては何回も来ているんですよね。
ただ、ブームの波が来ては去ってしまうのは、謎を作る人があまり生まれていないからだと思っています。なので、謎解きを作る人が絶えず出てくるように、作る人をもっと増やしたいと思っているんです。例えば謎解きのワークショップができないか、子供たちが作った謎解きを僕らがWebでチェックできるようなサービスができないか、など作る人を増やせる施策を考えています。
その先に、例えば全国の中学校、高校、大学に謎解きの部活ができて、初めて文化になるんですよね。いちスポーツとして謎解きも認められるぐらいまで持っていきたいなというのが夢です。
――最後に、今回の特集の見どころをお願いします。
今回のように社長業にフォーカスが当たっているのは初めてじゃないかと思うので、普段あまり見せない顔も出てきますね(笑)。「RIDDLERという会社って謎」なんて言われることも結構あるんですが、今回の授業で「謎解きを作っている集団がどんなことを考えているのか」ということが分かると思います。