沢村一樹演じる庶民派検事が被疑者の心を解きほぐす!「諦めないで頑張ろうというメッセージが伝われば」

2021/02/26 05:00 配信

ドラマ

沢村一樹主演、そして矢本悠馬、市川猿之助らが出演するドラマスペシャル「東京地検の男」が3月24日(水)に放送される(C)テレビ朝日

東丸信助役:沢村一樹コメント


――本作で検事・東丸信助を演じるに当たり、意識したことなどがあればお聞かせください。

今回、検事の役をやるに当たって「推定無罪」を意識していました。僕が演じる東丸は、取り調べをするとき「この人を何年の刑にしてやろう」ではなく、「本当に有罪なのか? 無罪ではないのか?」と考えて、被疑者に関わる人だと思ったので、つねに「推定無罪」ということを考えながら演じました。

僕はこういった“事件もの”にたくさん出演させていただいているので、東丸を演じる際、キャラクターを差別化したいな、という個人的な欲みたいなものが出てしまって(笑)。台本を読んだときに感じた“愛らしい”イメージは崩さず、ちょっとオタクな感じにしてみました。

そういう人って、得意分野のスペックがすごく高かったりしますが、そこはあまり高くし過ぎず、一生懸命さで能力をカバーしている人、見た人が応援したくなるキャラクターにしたいなと。

突出したオタクっぽい一面は“諦めないところ”。七転び八起きという言葉のように“8回までは失敗してもへこたれない人”というイメージでやりました。

――相棒となる矢本悠馬さん、エリート検事を演じる市川猿之助さんと共演していかがでしたか?

東丸のキャラクターが出来上がっていたので、三枝役の猿之助さんと一緒のシーンでは、三枝の面白おかしいキャラクターが生きればいいなと思っていました。三枝のキャラクターが前面に出てきた時には、グッと沈んだ動きをするよう意識していましたね。

三枝のテンションに寄っていき過ぎると大変なことになるので(笑)、少し気配を消すなど…その瞬間ごとにシーンとして面白くなるように考えていました。人間の脳ってすごいんですよ、瞬時にいろんなことが考えられるんです(笑)。

猿之助さんとは久々にご一緒しました。「サラリーマンNEO」の“セクスィー部長”ぶりでしたね。本当にいい具合にはっちゃけていて、三枝もとても面白い人物になっています。

東丸の相棒・桐野を演じる矢本くんは、ヤンチャ感がにじみ出ていて、すごく男気がある。そして負けん気の強さみたいなものが芝居にも出ていて、すごく面白かった!

東丸の方が年は上だけどキャリア的には桐野が先輩という関係と、僕ら自身のキャリアや性格の違いなど、いろんなものが絡み合うことで、2人の関係にすごく立体感が出ていて、面白いバランスが生まれたと思います。

――見どころを含め、放送を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

劇中に「検察は最後の砦」という東丸のせりふがあるんですが、このドラマには“この国の司法や正義はきちんと守られているはず”という期待と、“そうあるべきでしょ?”と問い掛けるメッセージが込められています。

視聴者の皆さんに“正義”というものを感じていただき、さらにコロナの影響が続く中でも「諦めないで頑張ろう」「夢をもって生きていこう」というメッセージが伝わればいいなと思っています。

桐野圭太役:矢本悠馬コメント


――検察事務官・桐野圭太を演じるに当たり、意識したことなどがあればお聞かせください。

僕が演じる桐野は、わりとイマドキの若者なのかなと思いました。土日は休みというのが当たり前の生活を送り、職場では上司との関係にも入り込み過ぎないタイプなのかなと。

東丸のように1つの事件を追うために、自分のプライベートな時間を費やすタイプではないと思うんです。でも、一緒にいるうちに、自分にはないものをもっている東丸からいろいろな刺激を受けて、尊敬もしているんだと思います。

感情やモチベーションで仕事をしていて、やる気のあるなしがその都度変わったりする、そういう桐野が1番“人間っぽい”のかなと感じました。

きっと桐野は、1つの事件に対してきちんと向き合っている時もあれば、「めんどくせーな」って思っている時もあるんですよね。僕もそういうタイプなので(笑)、珍しく自分に似た役なのかもしれません。

――主演の沢村一樹さん、エリート検事を演じる市川猿之助さんと共演していかがでしたか?

脚本を読んだとき、東丸のキャラクターが「テレビで拝見している沢村さんぽいなぁ」と思いました。実際にお会いしたときもイメージ通りで…僕が言うのは失礼なんですが、とてもかわいらしい方でした(笑)。

沢村さんとはお互い素のまま本番に入っている感じでした。居心地の良い雰囲気を作ってくださる方なので、リラックスしてやれましたね。芝居をしているという感じがあまりなく、いい意味で、肩の力をバリバリ抜いてやっていました(笑)。

猿之助さんには、勝手にワイルドなイメージをもっていたんですが、凛と座ってらっしゃったり、本番まで扇子をお持ちになっていたりする、知的で品のある方でした。本当に礼儀正しく上品で…自分とは階級の違う、貴族みたいな方でした(笑)。

でも、芝居は猿之助さんだけ…(笑)。驚きの芝居です! 最初はテンションを合わせた方がいいのか、どうチューニングすべきか迷ったんですが、沢村さんがいつもの東丸だったので、「合わせなくていいんだ!」と安心しました(笑)。

――見どころを含め、放送を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

“検察もの”は、硬派なイメージを持たれがちなんですが、今回は東丸が相当ユニークで不思議なキャラクターなので、それを見ているだけでも面白いと思います。さらに、沢村さんや猿之助さんをはじめ、“芝居モンスター”たちの強烈な個性がバチバチしています!

捜査や聞き込みなど真面目なシーンでも、東丸と桐野に意外と緊張感がなかったり…かと思うと、急に東丸にスイッチ入ったりと、ユニークなキャラクターを見ているだけでも本当に面白い! 肩に力を入れず見ていただける作品だと思いますので、楽しみにしていてください。

三枝浩一役:市川猿之助コメント


――エリート検事・三枝浩一を演じるにあたり、意識したことなどがあればお聞かせください。

検事を演じるにあたり特に意識したことはないんですが、沢村さんとかぶらないようにしようとか、俳優としての“彩り”については考えていました。脚本では、沢村さんの東丸と僕の三枝は全くタイプが違う…対比する人物として描かれていたので、ドラマの中での“在り方”を意識していました。

東丸が庶民派で三枝がエリートとなると、エリートの三枝は高圧的で笑いの要素がないというのがお約束ですよね? でも、そういう型にハマッても面白くないので、実は東丸とキャラが少しかぶるようにやってみた部分もあるんです。

本来ならクソマジメになるところなんですが、東丸とはちょっと違うおちゃめな面も出してみました。僕がやるならお約束には当てはまらないようにしたいと思い、キャラクターがどんどん変わっていきました。

三枝には怖い面もあるんですが、おちゃらけた一面もある。キャラクターのどこかに“素”が見えないと面白さが出ないのかな…と思って、三枝と僕には似ている部分がないんですが、なるべく自分に近づけたいなと思って演じました。

――沢村一樹さんとお芝居で共演するのは初めてとのことですが、ご一緒していかがでしたか?

沢村さんとは「サラリーマンNEO」の“セクスィー部長”で、ふざけたコントをやっていたので、そのイメージが強過ぎて…(笑)。がっつり芝居でご一緒するのは今回が初めてなんですが、真面目にお芝居してらっしゃると、それだけで面白かったです(笑)。雰囲気を良くしてくださる方なので、とても和気あいあいとした現場でした。

――現在、ドラマやバラエティーなど幅広いジャンルでご活躍中ですが、歌舞伎との切り替えなどで、意識していることはありますか?

よく歌舞伎とドラマ、バラエティーの現場では切り替えが大変そうと言われるんですが、僕自身苦に感じることはないですね。

僕にとって歌舞伎は“日常”なので、特に切り替えもしていない…全く世界が違うからいいんでしょうね。むしろ、警察と検察の役など設定が似ている作品をやり続けている人の方が大変だと思いますよ。

――見どころを含め、放送を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

この作品は、2時間ものの伝統をきちんと受け継ぎつつ、東丸と三枝がイヤイヤながらも手を組むことになって生まれるチーム感というような、視聴者の皆さんに楽しんでいただけるイマドキのドラマのテイストも入っています。幅広い年齢層の方に見ていただける作品だと思いますので、ぜひご覧ください。