深田恭子、存在するだけでファンタジーを具現化できる稀有な女優【てれびのスキマ】

2021/03/03 13:01 配信

芸能一般 コラム

深田恭子ザテレビジョン撮影

2本の作品が“コスプレ女優”の地位を不動に


翌年には「富豪刑事」(2005年、テレビ朝日系)にも主演。今度は大富豪でやはり浮世離れした刑事を演じた。筒井康隆の原作では男性だった主人公を女性に改変した本作。通常なら原作ファンを中心にバッシングが起こったりもするが、 深田恭子のかわいらしさと圧倒的な説得力を前にすると、そんな声はかき消された。この 2本で“コスプレ女優”の地位を揺るぎないものにしたと言えるだろう。

とかく“コスプレ女優”のような言葉は揶揄(やゆ)として使われることが多いが、彼女に限ってそれは当てはまらない。何しろ、完璧な“コスプレ”をしてくれるからだ。2009年には映画「ヤッターマン」で、タイトでセクシーな衣装でドロンジョに扮し、 喝采を浴びた。

「ルパンの娘」で濃い世界観を体現


そして今年、「ルパンの娘」で再び泥棒のボディスーツを身にまとっている。泥棒一家と警察一家との間で生まれた「ロミオとジュリエット」的な禁断の恋を描き、唐突にミュージカル的な演出が始まったり、荒唐無稽なセットが組まれていたり、ド派手なアクションシーンがあったりと、今どき珍しいほどエンターティンメントに徹している。頭を空っぽにして楽しめる娯楽作。そのど真ん中で深田恭子が濃い世界観を体現している。