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日本全国の放送局が参加する「TVer」――在京5局でのサービス開始から5周年を迎えた現在地

2021/03/06 21:00

インタビュー取材に応じた株式会社TVer TVer事業室長・中島和哉氏
インタビュー取材に応じた株式会社TVer TVer事業室長・中島和哉氏※ザテレビジョン撮影

2015年10月にサービスを開始し、2020年に5周年を迎えた民放公式テレビポータル「TVer」。2020年7月以降は毎月の動画再生回数は1億回を超え、同年9月にはMAU(マンスリーアクティブユーザー、ビデオリサーチ調べ)が最高値となる1350万を記録した(2021年1月27日プレスリリースより)。

全国15~69歳を対象とした調査でも、認知率(2020年12月、マクロミル調べ)は61.3%となり、サービスの規模、認知度ともに拡大を続けている。

コロナ禍による動画配信サービスの需要の高まりの中、また民放各局も独自の配信に力を入れる中で、「TVer」は今後どのような計画をしているのか。「TVer」を運営する株式会社TVerのTVer事業室長・中島和哉氏にインタビューを行い、5年間の歩みや現状、そして今後の展望について話を聞いた。

開始当初は“違法動画の撲滅”の意味合いが強かった「TVer」


――2015年10月のサービス開始時は、在京の民放キー局5局からのスタートでしたが、大まかにこの5年の変遷をご説明いただけますでしょうか。

「TVer」は2015年10月26日にスタートしました。当時は在京5局のコンテンツのみで、毎週およそ50番組程度の配信から始まったサービスになります。それまで放送局はいわゆる「SVOD」と言われる月額課金制の有料モデルは運営していたんですけども、放送本編の無料配信サービスというのは、いろいろな権利やビジネスモデルの問題がある中で、実現できていませんでした。“放送局が共同で無料の番組配信サービスを行う”ということが、「TVer」の一番の特徴になったかと思います。

サービス開始から5年たちまして、今では在京局だけでなく、在阪局の皆さまをはじめ、ローカル局も含めて40を超える放送局の皆さまからコンテンツのご提供をいただいており、毎週およそ300番組が常時配信されているという状況になっています。再生回数でいうと1カ月で1億回を超えるサービスにまで成長しました。

当初は配信する番組のジャンルや時間帯に偏りがありましたけれども、今はゴールデンタイムのドラマ・バラエティを中心に過去のドラマ作品などアーカイブの配信も行っています。例えば、長瀬智也さん主演、宮藤官九郎さん脚本の「俺の家の話」(毎週金曜夜10:00-10:54)の放送開始に合わせて「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)や「うぬぼれ刑事」(2010年、以上TBS系)といった同じタッグで制作された作品の無料配信をTVerでは行いました。

配信オリジナルコンテンツというのも一部ですが始めています。放送に乗らなかったディレクターズカットや、広告主さまと連携させていただいたスポンサードコンテンツなど、そういったものも行っております。

また、オンデマンド配信に限らず、ライブ配信も本数としてはかなり増えてきております。直近で申し上げますと、「全国高校サッカー選手権大会」(日本テレビ系)では、各都道府県の決勝と、全国大会の予選から決勝までほぼ全ての試合を配信させていただきました。

他にも「24時間テレビ」(日本テレビ系)の募金ルームの模様をライブ中継したり、「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)の“50PA”こと、ぺこぱ・松陰寺太勇さんの生配信ライブをやったり、そういうことも手掛けておりましして、ドラマのイメージが強いサービスかと思うんですけれども、スポーツやバラエティーといったジャンルもかなり拡張してきています。

――サービスの方向性として変わったところはあるのでしょうか。

始まった当初とは目的が変わってきました。サービス開始当初、放送局が課題と感じていたのは、違法動画だったんです。ですので、正規のコンテンツを安心安全な環境で配信するという、違法動画の撲滅の意味合いが最初は割と大きかったです。

加えて、“放送”からどんどんお客さまが“インターネット”にシフトしていくというのが、いろいろなデータから分かっていたのですが、インターネットの中に“放送”のコンテンツというものがものすごく少ないことも課題でした。有料で見られるものはあっても、無料で見られる放送局のコンテンツというものは、当時ほとんどなかったんじゃないですかね。

放送本編を無料で見られる場所をわれわれが用意することで、インターネットで見て、次はテレビで見ていただくという、テレビ視聴への回帰というのも大きな役割でした。その2つが5年前の大きな目的でしたね。

ですが、2020年7月に、それまで「TVer」のサービス運営を担ってきた株式会社プレゼントキャストに在京5社が資本増強し、社名も株式会社TVerに変更して、体制が大きく変わりました。それまでの放送局の事業を受託している会社から、放送局自身が事業を進めていく会社になり、体制もメンバーも強化されました。

テレビ放送の価値の維持や違法動画対策というのは引き続きあるんですけども、今はそれに加えて、新しい広告ビジネスを放送局と一緒に考えたり、社内では「パーソナルタイムシフト」と呼んでいるんですけども、番組表に沿って番組を見るという視聴形態から、ユーザーの皆さんがご自身の都合の良いときに、いつでもどこでもテレビコンテンツにアクセスしたいという欲求に応えられるサービスを拡張したりしてきています。

具体的に申し上げますと、時短ニーズに合わせる形で本編を最大1.75倍速で見られる倍速再生、消音にしていても見られる字幕機能、このシーンから見て欲しいをSNSでシェアできるシーンシェア機能、スマートフォンを縦持ちにしたまま見られる縦型再生機能などを実装しております。

下に続きます
「TVer」URL:https://tver.jp/

画像一覧
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  • インタビュー取材に応じた株式会社TVer TVer事業室長・中島和哉氏
  • 【写真を見る】「ユーザーニーズをかなえるサービスであり続けたいと思っています」と語った中島和哉氏
  • 2020年10月に5周年を迎えた「TVer」

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俺の家の話

出演者:長瀬智也 戸田恵梨香 永山絢斗 江口のりこ 井之脇海 道枝駿佑 羽村仁成 勝村周一朗 長州力 荒川良々 三宅弘城 平岩紙 秋山竜次  ほか

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池袋ウエストゲートパーク

出演者:長瀬智也 加藤あい 窪塚洋介 山下智久 妻夫木聡 坂口憲二 酒井若菜 佐藤隆太 阿部サダヲ 小雪 森下愛子 渡辺謙 

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うぬぼれ刑事

出演者:長瀬智也 生田斗真 中島美嘉 荒川良々 要潤 矢作兼 少路勇介 小松和重 ムロツヨシ 伊藤修子 西慶子 森下愛子 坂東三津五郎(十代目)  ほか

ロンドンハーツ

ロンドンハーツ

2022/10/05(水) 00:58~01:28 /BSS

出演者:田村淳 

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