――今回の出演のお話がきた時の感想は?
僕は、撮影現場は音楽でいう“セッション”のようなものだと思っています。台本はある意味、譜面。声をかけていただいて、現場に行くとそこに共演の方やスタッフがいる。その空気を感じながら、自分がどの音でゆくのか…。いつもそんな感じなので、役のことを考えて行くことがないのです。今回も現場を自分がどう感じられるのか、それだけでした。
――海老蔵さんが演じる信長について。
海老蔵さんとは、一度、映画「一命」(2011年)でご一緒させていただいています。今回は、もうそのまま“信長”でしたね。海老蔵さんならではの信長になっている…って感じました。
――歴史上の人物を演じることについて。
現代人であろうが、歴史上の人物であろうが、そこで生きている人間っていうことですから、特に意識はしていません。撮影のその瞬間、瞬間をとらえるのが監督の仕事だと思うし、その監督を感じて演じるのが役者の仕事だと思っています。戦国時代の人だからとか、考えたことはないですね。大河ドラマで1996年にはじめて「秀吉」を演じた時も、“とにかく、でたらめにしましょう”っていうことがプロデューサーとの約束だったんです。所作とかそんなものはすべてとっぱらってって。
――そのインパクトが強くて後に何度か“秀吉”のオファーが…。
ふと考えると三池監督の映画「熊本物語」(2002年)や大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)、昨年はゲームソフトでも秀吉のキャラクターになって。ずいぶん秀吉役はやっていますね。でも戦国の武将は他にも何人かやっているんですよ。信長も実は2回やっていますからね。加藤清正や石田三成もやりました。でも(歴史上の人物だからといって)特に意識はしていないですね。いつも、現場の雰囲気や空気を感じるだけです。
――中尾さんが演じる木下藤吉郎(秀吉)について。
中尾君とは「軍師官兵衛」の時もご一緒でしたし、昔からよく知っていて。今回久しぶりに会うので、とても楽しみにしていました。“久しぶり!秀吉なんだ!”ってね(笑)。共演のシーン、とてもうれしかったです。
――視聴者に見どころをお願いします。
なんと言っても、“海老蔵さんの信長”だと思います。海老蔵さんの信長、僕自身も楽しみです。広瀬さんとは2019年に、野田秀樹さんの舞台「Q:A Night At The Kabuki」でご一緒でしたが、とてもパワーのある女優さんだなと思いました。今回は共演シーンがなくて残念です。初時代劇だとは知らなかったので、広瀬さんの“濃姫”も楽しみですね。
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