――今回の出演のお話がきたときの感想は?
とにかくやらせてください、その思いだけでした。豊臣秀吉となると…もしかしたら僕ではなかったかもしれませんが、あくまで木下藤吉郎ですからね。たくさんの想像を膨らませて、のちの秀吉という期待感も持ちながら、全力で演じたいと思いました。竹中さんは「軍師官兵衛」でもご一緒させていただきましたが、今回久しぶりに会うことをとても楽しみにしてくださっていたと聞いて、とてもうれしかったです。
――役を演じられての感想。
今回、藤吉郎を演じることができたということがすごくうれしいですし、そこに声をかけていただけたということは、僕の“人の懐に入るずるさ”がちょっとばれてしまったかなって(笑)。とにかく偉大な人物ですからうれしかったです。演じてみて、改めてここから天下をとるまで昇り詰めたこの男はやっぱりすごいなあ、と感じました。本当に身分の低いところから始まって、僕だったら間違いなくその時点であきらめていると思います。セリフにも“商人で終わるつもりはない”ってあるんですけれど、そこから何とかして昇りつめていく姿っていうのは格好いいなあって思います。そして信長の懐にも何とか入っていこうとするのですが、そこも基本的にはきっとすべて計算で、まずはこの殿の中で自分が上にいくことを考えて…そういう覚悟を決められるっていうのもすごいと思いますね。
――海老蔵さんとの初共演の感想。
海老蔵さんは本当に“殿”ってかんじです(笑)。まさに信長を見ているようでした。一緒にお芝居をさせていただいて、僕が演じやすいようにというか、僕の演じたいことをわかってくださって、それを引き出してくださる…すごく相手のことを考えてくれているなって感じました。二人だけのシーンでも、そういうときにきちんと相手の引き出しを引っ張り出してくれて、すごく尊敬しています。海老蔵さんには、お食事にも誘っていただいて、すごく美味しいものをたくさん、ごちそうになりました(笑)。僕のクランクアップの日も朝電話がきて、“今日オールアップだけどすぐに帰るの?”って。“帰りますよ!”って言ったら、“え?帰っちゃうの?”って。そんなやりとりでした。僕の役が藤吉郎だし、そうやって二人の時間を作ってくださって、より演じやすいように考えてくださったのではないでしょうか。
――竹中さんとは久しぶりの共演でしたが。
竹中さんとは、今までに何度かご一緒させていただいて。再会がうれしかったし、“頑張ってね~秀吉だね~”っていう声もかけていただいて、大先輩ですからそこはもうとにかく一生懸命やろうってより一層思いました。
――二度目の共演となる三上さんの印象は?
三上さんとは、前に一度NHKのドラマでご一緒させていただいたことがありますが、あこがれの先輩で。その時、いつかまたご一緒して勉強したいなって思っていたので、うれしかったです。三上さんにしかできないだろうなっていうくらい、三上さんならではの今川義元がそこにいて、義元がすごく輝いていました。他にも、僕は今回共演シーンはなかったですが、佐藤浩市さんをはじめとして豪華なキャストの方ばかりで。本当にすごいドラマに自分が出させていただいて、そんなところで俺、藤吉郎なんて…というプレッシャーはありましたけれど、ニコニコして切り抜けようって思っていましたね(笑)。
――桶狭間の戦いのシーンはいかがでしたか?
京都の殺陣のチームの皆さんは、素晴らしい方々がそろっているので、絶対にいいシーンが撮れると(リハーサルの時から)思っていましたし、実際にすごく迫力のあるシーンが撮れたと思っています。
――視聴者の皆様へメッセージをお願いします。
最近なかなか時代劇を見る機会も少なくなってしまってきていますし、この戦国時代では合戦がどうしてもフィーチャーされると思うんですけれど、そこにはやはり命をかけて戦ってきた人たちのいろんな葛藤があって。たくさんの人間ドラマがある中で、一人一人がそれぞれの思いを背負って戦う姿は是非見てほしいなって思いますね。そんな中で僕がどんな藤吉郎を演じているかも見てほしいなって思うし(笑)、本当に多くの人に見てほしいです。僕が出させていただいて、こんなこと自分でいうのも何ですけれど、本当にすてきなドラマができたな、と思っています。
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