AKINA、ソロのオリジナル曲＆Folder時代の曲でワンマンライブを開催「やっぱり、歌しかない」
ソロアーティストとして活動するAKINAが、ワンマンライブ「AKINA 〜OUR TIME PARTY〜」(第1部無観客配信・第2部有観客の2部制)を、3月6日に都内“JZ Brat Sound of Tokyo”で開催。第1部では、オリジナル曲、Folder時代のメドレー曲、サックスでのカバー曲など計10曲を披露するとともに、自粛期間の葛藤やライブへの思いを語った。
AKINAは、1997～2003年にかけてFolder、Folder5として活躍し、その後ソロアーティストやタレント、舞台女優などさまざまなステージで活動。私生活では2013年にビビる大木と結婚したことも話題になり、2015年に第1子を出産した一児の母としての顔も持つ彼女は、2017年からは親子で参加できるコンサートも定期的に主催していたが、現在はコロナウイルスの影響で開催は見合わせ中。
そんな自粛ムードが続く今の状況で、新曲の配信リリースを行ったAKINA。さらに、開催告知時に「緊急事態宣言を受け告知することも悩みましたが、まだまだ状況が落ちつかず、誰しもが戸惑いがあるご時世ですが、音楽と共に少しでも気が休まる時間、楽しめる空間を皆さんと一緒に過ごせたら」と気持ちを伝えながら、今回のライブ開催に踏み切った。
20周年記念アルバムの楽曲からスタート！
第1部は昼2時に幕を開けた。バンドメンバーは中園亜美(sax)、竹田麻里絵(p,key)、堀井慶一(b)、工藤明(ds)、北島優一(g)。1曲目は20周年を記念したアルバム「Flash」から「Start again」、続けて「Planet」をゆったりと伸びやかな美声で披露した。
MCでは「皆さんこんにちは」とあいさつし、「思うように生活ができない日々が続いていますが、皆さん元気にしていますか？」と優しく問いかける。続けて、「私はデビューして23年くらいになるんですけれども、このアルバムは過去と未来がクロスした作品を作りたいなと思って、歌詞も自分で書いたり。過去を否定せずに明るく未来に向かっていくような曲を作りたいなと思って」と振り返りながら、3曲目も同アルバムの中から「City Of Stars」を熱唱。
「続いての曲はチャレンジでもある曲をやりたいと思います」と話し始める。この日のライブ会場で2019年に、今回のバンドメンバーである中園と竹田のライブを見て「女性がサックス吹いてるのってカッコいい！」と思ったことからAKINAも2020年にサックスを始め、本ライブに備えて練習を重ねた。その腕前について、サックスの先生役でもあった中園は「(AKINAさんは)吹けちゃうんですよ」と太鼓判。
さらに、この会場で演奏しているのを見て、「この曲でこれやったらカッコいいんじゃないかなと思って(ピアノ担当の)麻里絵ちゃんと一緒に作った曲」というのが、4曲目「わかってるのに」という楽曲。
「私はグループ時代を経て、ソロになって、今も歌をやっているんですけども新しい曲が生まれました」「大人です。どうしちゃった？っていう(笑)」とMCでは笑いを誘いながら、ピアノの前奏から始まるスローテンポなバラード曲では感情豊かに歌い上げた。
5曲目は名曲のカバーで、サックスのパフォーマンスを披露すると「緊張しました！この曲はカルヴィン・ハリスの『my way』という曲なんですけれども、元々はクラブでかかるような曲で、これはあえてサックスで吹いたらどんな感じになるんだろうと思って、ドもレも吹けないうちからこの曲が吹きたいんだって(サックス担当の)亜美ちゃんに言って」と裏話も。
そして、自粛期間の葛藤や思いを明かした。
「自分がやりたいことって何だろう」「やっぱり、歌しかない」
「コロナウイルスで自粛があって、家生活が多かったじゃないですか皆さん。そこで改めて考えたんですね。なぜ考えたかというと、元々3月、6月と親子向けの会を私自身が主催でやっているんですけれどもそのライブがなくなってしまって、見詰め直した人もたくさんいたと思うんですけど、私は何が出来るのかなって」
「自分がやりたいことって何だろうってことを考えた時に…やっぱり、歌しかないっていう風に思いまして。そこで出来たのが『vibra』という曲です」
「日常生活の中で、当たり前なことって、ありがたいって思う瞬間っていうのはちょっと薄くなってた時があったので、こうやってマイクを持って歌を歌えることがどんなに幸せなんだろうって、また今日改めて感じました」
心地よく楽曲の世界観に引き込まれる6曲目の「vibra」のパフォーマンスの後、配信視聴者からのメッセージを読み上げていく様子にも観客への感謝や誠実さがうかがえる。続いて7曲目は、3月7日(日)にリリースした最新曲「OUR TIME」を披露した。高音の美しい歌声とややアップテンポな曲調が気持ちよく、聴く側も自然と曲に合わせてリズムを刻んでしまう。
MCでは「あっという間に後半に差し掛かってますよ、早いですね～もうすぐ3時ですもんね」と笑いを誘いながら、バンドメンバーとのトークで「今回サックス(のパフォーマンス)が入ったので、ヒヤヒヤしました」と語りながら、ライブへの気持ちや、大人になってからの考え方の変化などを話し始めた。
「自分が納得する人生を送るために…」
「大人になって何かを取得したい、夢中になりたいっていうものが今はサックスなので、出会えたことはすごくラッキーだったし。若い時って覚えが良かったんですけど、時間が限られてる中で練習をしなきゃいけないので、がむしゃらにやるのとは違う頑張り方をしなきゃいけないんだなって、サックスと改めて向き合った時に感じたし、不安だからやっていたいのが性格的にあるんですけど、いつもの生活があるからご飯作ったりお世話したり、それをそっちのけでやってしまってはいけないし…」
「今日もシチュー作ってきました(笑)」とメニューを明かしながら、真剣な思いを続ける。
「でも大人になってサックスというものに出会って、何かを頑張ることって大好きなんですよね。何かを学びたいし、どんどん出来ていくのがすごくうれしくて。2019年10月に後ろの方で見ていたのが、今こうやって時を経てここに立ててサックスを吹いて歌を歌っているっていうのが、くじけそうになる瞬間もいっぱいあるんだけど、自分のためにも、自分が納得する人生を送るためにも、投げ出さずにやって良かったなって、また学ぶことが出来たって考えてました」
そんな今の気持ちを伝えた後に、「懐かしソングを聞いてください」とFolder/Folder5時代の楽曲「パラシューター」「SUPERGIRL」「BAD ROUTING」をメドレーで披露。大人になった今の歌唱力で力強く歌声を響かせた。
9曲目は再びサックスのパフォーマンスで「元々トランペットの方が作った曲なんですけど、私がこの曲を知ったのはキャンディ・ダルファーというサックス奏者の方が吹いてるのを見て、『カッコいい！こういう風に吹けたら楽しいだろうなあ』って」と、“好き”な気持ちだけで演奏を決めたが、「いざやってみたらすっごい難しかったです。でも今日はあえてチャレンジしたいなと思っています」というチャレンジ精神は見ている側にも勇気や元気を与えてくれるようだ。
最後の10曲目は、Folder5時代のアニメ「ONE PIECE」のオープニングテーマでもある「Believe」で締めくくった。
「私がとってもとっても大事にしている曲です。まだまだ気が緩めない生活が続いていますが、どうか希望だけを…希望しかないと思うので、皆さん、今度は元気にお会いできたらいいなと思っています。それぞれの人生が明るく未来に繋がっていきますように、心を込めて歌いたいと思います」
「AKINA 〜OUR TIME PARTY〜」第1部セットリスト
1. Start again
2. Planet
3. City Of Stars
4. わかってるのに
5. My way(Calvin Harris)/sax
6. vibra
7. OUR TIME
8. Folder/Folder5メドレー(パラシューター、SUPERGIRL、BAD ROUTING)
9. Strasbourg St. Denis(Roy Hargrove)/sax
10. Believe
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
