母親になり「楽になった」
2003年、結婚・出産を機に正式に2年半にわたる休業に入った。その休業期間中、普通の生活をしてみたら、ドラマを見たり映画館に行ったりするのが楽しくて仕方なかった。その時、気づいた。「私は好きだからやりたかったんだ」と。
母親になって逆に「楽になった」と彼女は言う。「一人のときは仕事ってすごく大事で。プライベートとかお休みがあってもさ、役のことが気になっちゃったりさ、ちょっとこれも勉強しておこうかなとかさ」「でも、そうじゃないところに自分の居場所とか、やるべきことがあるってなったとき、守るべきものがあるってなったときに、逆に時間がないから集中力増してるって思い込もうって」(「ボクらの時代」フジテレビ系、2017年10月15日)。
特別なミューズから、ナチュラルに笑う女優に
広末涼子は、激動の人生を通して、 僕らが勝手に背負わせてしまっていた特別なミューズという幻想から解放され、生身の女優となりナチュラルに笑っている。
「不幸なこともたくさんありますし、私の人生、ハチャメチャですから。 でも、『たくさん笑っている人ほど人の苦しみや悲しみを知っている』っていう説を信じています」(「Yahoo!ニュース特集」2019年10月11日)
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊テレビジョン』2020年4月号