コロナ禍での公開危機を乗り越えて。“早稲田演劇”発の青春ムービー「色の街」に込められた思いとは<インタビュー> 

2021/03/22 22:00 配信

映画 インタビュー

ヒロイン・カナ役を射止めた矢崎希菜は「将来大物になるなと (笑)」

【写真を見る】矢崎希菜、かわい過ぎる笑顔を激写…!※2021年ザテレビジョン撮影


――突如としてしゃべらなくなったヒロイン・カナ役は、候補者150人を超えるヒロインオーディションを経て矢崎さんに決定したんですよね。矢崎さんに決めた理由は何だったのでしょうか?

矢崎:聞かせてください(笑)!

黒澤:カナはしゃべらなくなってしまった女の子なので、セリフがない分、非常にナチュラルな芝居が求められる役どころだったのですが、矢崎さんは本当に自然だったんです。

役をガチガチに固めてオーディションに臨まれた方が多かったのですが、矢崎さんの場合はどんな演技も繊細で、素に見えて。満場一致で「矢崎さんにお願いしよう」となりました。当時はまだ高校生ですよね、これは将来大物になるなと (笑)。

矢崎:恥ずかしい(笑)。確かに自然体でオーディションを受けてはいたのですが、だからこそ「受かった感」もなかったんです。どこを評価していただいたのか気になっていたのですが、2年越しに聞けて良かったです(笑)。

「思わず吹き出しちゃうから、苦労しました(笑)」

(左から)矢崎希菜、黒澤優介※2021年ザテレビジョン撮影


――矢崎さん、実際にカナを演じてみていかがでしたか?

矢崎:やっぱり“声を出さない演技”は本当に難しかったです。しゃべらなくなった理由も、台本も読んだだけではわからないので、解釈に悩みました。

あと、黒澤さん(相田)がカナを笑わせるために1発ギャグを連発するシーンがあるのですが、楽しくもあり苦労した部分でもありました(笑)。思わず笑っちゃいそうになるんですが、笑わない女の子という設定なので。

黒澤:あのシーンでは、「同じネタをやらない」というルールを自分で勝手に決めて、テストと本番では違うネタをやっていました。「カナを絶対に笑わせてやる!」という自我が出てしまっていましたね(笑)。

矢崎:私は同じネタをやってほしいんですよ、慣れたいから! 新しいギャグだと思わず吹き出しちゃうから、苦労しました(笑)。

“先輩”小手伸也は「本当にかっこいい」


――お2人の思い入れのあるシーンやセリフを教えてください。

黒澤:小手伸也さんに出ていただいたシーンですね。劇団の先輩ではあるんですけど、お会いするのはもちろん初めてですし、役者としても尊敬している方なので、緊張しました。

ちょうどその頃小手さんは「SUITS/スーツ」(2018年、フジテレビ系)の撮影をされていて本当にお忙しい時期だったので、スケジュールを組むのも難しかったんです。ギリギリな状況で来ていただいているので、「とにかく押しちゃいけない」と焦りながら撮影をして。でも、それでも押すんですよ、学生だから…(笑)。

そんな時に小手さんが「俺はいつまででも待つから。役者の仕事だからね」って言ってくださって。本当にかっこいいなと思いました。

矢崎:私は屋上のシーンです。ずっと無表情だったところから急に表情をつけるのがとても難しくて。しかも、制服を着ての撮影だったので、寒くて顔が引きつっちゃいました。