――3月17日にリリースされるニューシングル「ポニーテイル」はこれまでの曲とはまた違った仕上がりになりましたよね。淡い恋心を歌ったミドルバラードですが、特徴の一つであるピアノが前へ出てなければ、ファルセットも使っていません。スタンダードに根付くような仕上がりだと感じました。
これは自然な流れだったんです。在宅で、というムーブメントの前は全てにおいてイケイケでしたから(笑)、そういった曲が生まれていたというか。それがちょっとタイムみたいな期間になって、奇抜なモノじゃなく、スッと心に馴染むような音楽を好み始めて。シンプルで真っすぐな曲ばかりを聴くようになったんです。
――それがそのまま曲作りにも反映されたという。
そうですね。春にシングルを出そうと決まったとき、せっかくならどこまでも真っすぐに、どこまでも心地いい曲にしようと思いました。まだまだ極めているわけじゃないけど、ダンスミュージック、EDM、ファンク、ヒップホップやラップをやってきて、今、J-POPを作ったという。そのときのマインドが曲作りに影響するのは何も変わってないし、その中で自分が何をできるのか。そこを見つめていただけなんです。
――そういった中でも特徴的なファルセットや転調がないことには驚きましたよ。
ビッケブランカはこういう人だ、と決めつけられたら窮屈だし、パブリックイメージがつかないよう、いろんなことに手を出してとっ散らかしたつもりだから(笑)、そこはあんまり考えなかったです。ただ、書いてきた曲のおかげで真っすぐなラブソングが変化球になっているというのは面白く感じてます。
――春に発表する作品として、いろんな選択肢もあったかと思いますが、淡い恋心を選んだ理由は?
春に恋してたことがあるんでしょうかね(笑)。卒業や別れといったことも浮かびますけど、これは自分の中でスッと出てきたテーマでした。
――ただ、ビッケさんはそういう普通な選択をしないようなイメージもありまして。
いやいや、僕は普通に扱いやすい人間ですよ(笑)。だって、「はい」か「いいえ」しかいわないし、こんな簡単なヤツはいないと思うぐらい。
――でも、「いいえ」が多かったりはしません?
確かに……自覚することにします(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)