上川隆也、主演舞台の再演に「前向きというよりは前のめりな姿勢。毎日試行錯誤しております」
黄泉の世界からよみがえった淀殿を演じる浅野は「再び淀殿役にお声をかけていただいたことを幸せに思っております。コロナ禍の中、みんなマスクでお稽古をして、ほとんど私語も厳禁で、なかなかコミュニケーションも取りづらい状況となっております。そんな中、上川さんが本当にすてきな、セリフ以上のものをお届けくださって、私たちを笑わせて、和ませてくれて、一気に現場の雰囲気が、テンションが上がりました。素晴らしい座長さんです」と、稽古場での上川の様子を話した。
さらに「何より楽しみなのは、カーテンコールでございます。上川さんのトーク力は素晴らしいものがあります。ですから、たくさん足をお運びいただいて、カーテンコールだけでもご覧になっていただきたいです」と語り、思わず上川は恥ずかしそうに照れ笑い。
十兵衛の父・柳生宗矩を演じる松平は「このような時代に、舞台に立てる喜びを感じております。『魔界転生』をぜひ見ていただいて、現実を忘れられるような世界を味わっていただきたいと思います。セットもリニューアルして、素晴らしいセットになると思いますので、1人でも多くの方に見ていただきたいと思っております」と今作への熱い思いを伝えた。
再演ではあるが、新たな作品として臨みたいと話していた上川。「前向きというよりは前のめりな姿勢。この作品にどういう形で臨んで行こうかというエネルギーがひしひしと感じられるんです。初演をやったからといって、“あぐらをかいてはいられないな”という貪欲さに近い力を感じています。
だからこそエネルギッシュな作品に仕上がってきているのだと思いますし、日々刺激を受けながら、稽古で過ごしています」と気持ちを引き締めて、初日に向けて稽古に励んでいる様子。
「入江のような湾があって、僕らは2018年に一度そこで泳いでいます。風が吹いたりして毎日様子は違っていたと思うんです。でも今回、天変地異があって、その湾の形すら変わってしまったんです。泳ぎ出すにあたっても僕らも一からなんです。だから一致団結しないと泳ぎ切れないので、毎日みんなで試行錯誤しております」と状況が一変し、新たな気持ちで臨まなければならない理由を、舞台を“湾”にたとえて説明した。
その他、真田十勇士の生き残り・根津甚八を村井、十兵衛の弟・又十郎を木村、軍学者・由井正雪と刀鍛冶・叢雲常陸の二役を山口、二刀流の剣豪・宮本武蔵を渡辺が演じる。
舞台「魔界転生」は、4月7日(水)〜11日(日)まで愛知・刈谷市総合文化センター、4月16日(金)〜28日(水)まで福岡・博多座、5月4日(火)〜28日(金)まで東京・明治座、6月2日(水)〜10日(木)まで大阪・新歌舞伎座にて上演。
◆取材・文・撮影=田中隆信
原作:山田風太郎(角川文庫刊)
脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦
出演:上川隆也 小池徹平 藤原紀香 村井良大 木村達成 山口馬木也 渡辺大 浅野ゆう子 松平健 ほか
【公演日程】
4月7日(水)~11日(日) 刈谷市総合文化センター(愛知)
4月16日(金)~28日(水) 博多座(福岡)
5月4日(火)~28日(金) 明治座(東京)
6月2日(水)~10日(木) 新歌舞伎座(大阪)
公式HP:https://makaitensho.jp/
企画・製作:日本テレビ