吉本ばなな初期の名作「ムーンライト・シャドウ」が小松菜奈主演、エドモンド・ヨウ監督によって映画化されることが決定した。2021年秋の公開に向け、3人からコメントが届いた。
1989年に刊行された「キッチン」が社会現象ともいえる大ヒットを博し、「TUGUMI」(1989年山本周五郎賞受賞)と「キッチン」は1989年の年間ベストセラーの1位と2位を独占、平成最初のベストセラー作家となった吉本。
世界30カ国以上で翻訳された「キッチン」が発売から30年以上たった今でも世界中の人々に愛されている他、多くの人気作品が発表され、美しく詩的な文章と独特な世界観で海外のファンも多い。
「キッチン」に収録されている短編小説「ムーンライト・シャドウ」は、1987年に吉本が大学の卒業制作として発表し、日本大学芸術学部長賞を受賞、翌1988年に泉鏡花文学賞も受賞した作品。
吉本自身も「初めて他人に見せることを前提に書いた、思い出深い小説」と語り、手に取った者を物語の圧倒的パワーで強烈に引き寄せて心を揺さぶり、感激で胸を熱くする。
深く心に刻まれる存在から、ファンの間では初期の名作との呼び声も高い同作がこのたび、小松主演によって映画として新たに生まれ変わることとなった。
突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない、主人公・さつきの一人称の視点で描かれる同作。吉本に「さつきにぴったり」と言わせた小松は、「本作でまた1つ、自分の中の新しい扉が開いた」と語っている。
監督を務めるのは、国際的に高く評価されているマレーシア人映画監督の1人・エドモンド。原作に対して最大限の尊敬と愛情を抱きながら、幻想的で詩情豊かな物語を描くその手腕で新境地へと挑戦する。
2021年秋公開
<スタッフ>
原作:「ムーンライト・シャドウ」吉本ばなな(新潮社「キッチン」収録作品)
監督:エドモンド・ヨウ 脚本:高橋知由
配給宣伝:SDP、エレファントハウス
<キャスト>
小松菜奈
【HP】moonlight-shadow-movie.com