脚本・宮藤官九郎のコメント
長瀬くんが主演男優賞に選ばれて、有終の美ではないけれど本当に良かった。このドラマは長瀬くんありきの企画。寿一役には他の人は考えられませんでした。長瀬くんも自分に高いハードルを課し、1年前からプロレスラーを演じる体を作り上げ、ファイトシーンも全て自分で演じてくれました。
長瀬くんは感動的な場面も笑いも瞬発力があり、テクニックで演じることを良しとしない。脚本家の発想を超えてくるので、改めてすごいと思いました。いい意味で普通じゃない。僕にとっては、いつだって「こういうものをやりたい」と思ったときにやって来て、全力で実現してくれるヒーローのような人です。
金子文紀監督のコメント
長瀬くんは初めて一緒に仕事した「池袋ウエストゲートパーク」(2000年、TBS系)のときから集中力がありましたが、今回は特にすごかった。演技と演出について「こうしたいけど、どうかな」とキャッチボールがハイレベルにたくさんできて楽しかったです。まるで長瀬くんも演出家のようでした。
寿一の見え方についても「感情表現をオーバーにせず、42歳らしい落ち着きがあった方がいいね」と意見が一致しました。だから抑えめにやって、最終話で「(父に)褒められちゃった」と言う場面がクライマックス。そこで長瀬くんの表情を見た瞬間ぼろ泣きして、最高の演技を幸せな思いで撮影しました。
(取材・文=小田慶子)
TCエンタテインメント
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