<おかえりモネ>清原果耶は“初々しさ”と“表現力”が重なり合う奇跡のヒロイン

2021/05/22 08:05 配信

ドラマ コラム レビュー

ベテランとも若手とも絡める

「おかえりモネ」第2話 気象予報士・朝岡(西島秀俊)との出会いはモネ(清原果耶)に影響を及ぼす(C)NHK

とりわけ、第5話。気象予報士の朝岡(西島秀俊)と一緒に早朝、移流霧を見たときの表情。

高校時代の回想と同じ、何かとてつもないものを見たときの瞳は、言葉では言い表せない、いろんな感情が混ざって整理がつかないもの。

これは、新人俳優では太刀打ちできない。巧い子役では深みには至らずちょっと単調になってしまいそうだし、二十歳以上の演技経験のある俳優だと今度は手練感が出てしまいそう。

そこで清原果耶なのだ。未分化のピュアさを持ちながら、作者が伝えたいことをしっかり表現する力をもっている。何かを抱えているけれど重くなり過ぎず、ラフターヨガで「わーはっはっは!」と高笑いをしても軽薄にならない。

BUMP OF CHICKENのドラマの主題歌「なないろ」の歌詞にある「やじろべえ」みたいにバランスをうまくとっている。

周囲に夏木マリ、西島秀俊、坂口健太郎、でんでん、浜野謙太…という芸達者の俳優たちと芝居をしても引けを取らない。今後、内野聖陽や鈴木京香、そして永瀬廉や蒔田彩珠など同世代の若手俳優たちも登場してくる。

濃い俳優たちと総当りしてもきっと涼しさを失わないことだろう。清原果耶はヒロインのピュアさも、物語の重厚さも楽しめる、最高の待ち望まれた朝ドラヒロインである。

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