森高千里がデビュー記念日の5月25日に、栃木・足利市民会館でコンサートを開催し、新型コロナウイルス感染防止のため2020年から延期してきた「『この街』TOUR 2020-22」をスタート。足利市は1993年のヒット曲「渡良瀬橋」の舞台となっているが、同会場が老朽化のため6月で閉館するということで、ツアー初日の今公演のみ「さようなら 足利市民会館 ありがとう五十五年」のサブタイトルが付けられた。
大きな手拍子で迎えられながら20代の頃のようなミニスカート姿で登場した森高は、1曲目は応援ソング「ファイト」を歌い、コロナ禍と闘うファンを歌声で元気づけた。
同公演は、コロナの感染拡大防止ガイドラインに沿って観客は収容人数半分以下の約700人で、パフォーマンスも1時間30分に制限。その分、昼夜2公演を行い、延べ約1400人を前に15曲ずつ計30曲を披露した。
2013年3月、「渡良瀬橋」に登場する「八雲神社」が2012年末に焼失したことに心を痛め、再興へのチャリティーも兼ねて、足利市民会館でコンサートを開催した森高は、今回の公演前には八雲神社に立ち寄って感謝状を受けたことを観客に報告。「再建の際の募金の感謝状をいただきました。私と皆さんの感謝状。皆さんのおかげです」と一礼した。
また、「今日は会館に入る前に渡良瀬橋を渡って来ました」と明かすと、「渡良瀬橋」の間奏ではリコーダーを演奏。「私がオバさんになっても」「17才」「気分爽快」「私の夏」などのヒット曲も披露し、ツアータイトル曲の「この街」では、「足利しゅうまい」「岡田のパンヂュウ」などのご当地グルメを間奏のセリフに盛り込んだ。
「今年のコンサートツアーがここ、足利市民会館でスタートできたのは本当に感慨深いです。この足利市民会館がなくなってしまうのは本当に寂しいです」と思いを伝え、「私にとって足利は第2のふるさとです。皆さんにとっても特別な場所であってほしいな」と語った森高。
2019年以来となるツアーの初日が終わると、「皆さんに歌で元気を届けたいと思っています。配信ライブとかもやりましたが、やっぱり、皆さんの前でやるのが一番私のパワーが出る時間。皆さんに元気を届けたい」「初日を足利で迎えられたこと、忘れられないコンサートになりました。また足利でコンサートをやりたいです」と約束。足利市も、この日は夜6時の市内放送で流す音楽を「渡良瀬橋」にして応えた。