――そして小室哲哉さんが作詞・作曲された8曲目の「約束の丘」はどうでしょうか?
井頭:曲のインパクトは小室さんが作ってくださっているのもあって、小室サウンドという印象でした。今までの小室さんの曲を聴いてみて、それにもちょっと近いなと思いましたし、まさに小室サウンドだなと感じました。
小室さんのファンの方はもちろん、私たちのことを知らない世代の方は「小室さんが作詞・作曲しているんだ!」って思って聴いてくださっています。すごく力強い曲だなと思っていて、これも私たちの状況に当てはまっている感じがしました。
「遊ぶヒマなんてなかった 1秒も無駄はないよ」ってところ、4年間土日も遊ぶ時間を割いてレッスンや仕事をしてきたので、すごく刺さりました。
田中:小室さんがしっかり私たちのことを見てくださって、歌詞にしてくれているんだなっていうのがすごく伝わってきました。私が一番格好いいなと思ったのは「大人にも不条理と感じたらかみついていいさ」ってところです。
今までいろいろなことがあったけど、大人にもぶつかっていいんだっていう、子供の私たちの思いがすごく伝わる格好いい曲だなと思いました。
小澤:この曲、実はX21でメンバーの入れ替えがあったときに発売された曲なんですよ。卒業メンバーが出て、加入メンバーが出た時期に。そこの情景がまさに表れているのが、「1人また1人 増えてまた減っていくよ」っていう部分です。
すごく問いただされているというか、甘いよって言われている気がしました。もっとこの世界は厳しいし、その先1秒だって暇はないよって。だからこそ自分が目指していた「約束の丘」にたどり着けるんだよって思うので、何かに向けて頑張っている人は、共感する部分がたくさんあるんじゃないかなと思います。
――続いて10曲目は「鏡の中のパラレルガール」ですね。
井頭:これは私たちが作詞の原案を書かせていただいて、初めて出した曲になります。これまでやってきたことが、楽しいだけじゃなくて、本当にこの道で良かったのかなというか、不安とかが書かれている曲です。
これが本当の私なのかなというか、自問自答しているけど、最後には未来を見てさあ踏み出そうって明るく押し出されるような曲になっていると思います。
田中:ミーティングをしたとき、メンバー同士でぶつかったんですよ。歌詞をすごく大事にしたいから、1人1人の思いとか、不安とかも全部言い合って、すごくぶつかってできた歌詞なんです。
小澤:単語やフレーズごとにみんなで出し合って作りました。
井頭:いま、お仕事をさせていただいて、ちょっと嫌だなって思うときとか、つらいこともたくさんあったんですけど、振り返ってみたら、今までやってきたことが、マイナスなことじゃなくて、全部プラスなことなんだなってことにあらためて気が付きました。
今までつらかったことも、絶対プラスにつながるんだなと。例えば学生の方も「今、こんな勉強をしていていいのかな? 必要ないでしょ」って思ったとしても、社会に出たら役に立つことがあるし、意外と使うことも多いので。私たちもそうですけど、学生の方やサラリーマンの方も何か心に響く部分があるんじゃないかなと思います。
小澤:どんな自分も受け入れようよって曲です。誰だって自分の中で嫌いな部分ってあると思うんですよ。そんな嫌いなところ、いいところ、全部受け入れて、前に進んでいきましょうよって曲なので、それぞれが嫌いな部分もあると思うんですけど、私も結構頑固なので、そこを粘り強さに変えられたらいいなと思います。
【「X21・井頭、小澤、田中が少女から大人へ“成長”の新アルバムを全曲解説(後)」へ続く 同記事は3月16日(木)朝8時公開】
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