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明石家さんま、“声優”大竹しのぶに全幅の信頼「『心配なの…』っていう時はできる時なんです」

2021/06/10 12:01

取材に応じた明石家さんま、大竹しのぶ、渡辺歩監督(写真右から)
取材に応じた明石家さんま、大竹しのぶ、渡辺歩監督(写真右から)  ※提供写真

――さんまさんから見て、声優の大竹さんは?

さんま:大竹さんはこれまでにもたくさんアニメをやられてるので、声優としての力は分かっていました。昔、短編のアニメを2人で作ったこともありますからね。芝居とか声優の部分は安心して任せられるなって。大阪弁が心配やと言ってたんですけど、「心配なの…」っていう時はできる時なんです。「私、このシーン、ダメかもしれない…」って言うて、全部できてましたからね。そこが好きで共演してるんですけど、そこが嫌いで別れたんです(笑)。

大竹:次から次へとよく言葉が出てくるわね(笑)。

さんま:僕が指名したわけではなかったんですけど、大竹さんで正解でした。作品が完成した今、感謝してます。肉子ちゃんは大竹さんしかできなかったなって。

――アフレコの現場で、さんまさんから何かリクエストされたことはありましたか?

大竹:セリフの前にほんのちょっと空いてるところに「一言だけギャグを入れてくれ」とか、そういうアドリブみたいなのがありました。監督は大変だったと思いますけど、私はすごく楽しかったです(笑)。

さんま:ちゃんとこっちの意図をくみ取ってくれるんです。これまでにも共演させてもらったり、一緒に暮らさせていただいたりしましたしね(笑)。大阪弁でしゃべってて、「全部食べちゃったけど」とか、ノリだけ東京弁でやってるシーンがあるんですけど、僕もノリだけ東京弁でやることがあるので、それを肌で感じてくれてたのはすごくありがたかったですね。

――肉子ちゃんの娘・キクコの声を声優初挑戦のCocomiさんが務められていますが。

さんま:Cocomiちゃんが15歳の時にアニメの学校に通っていて、ちょうどその頃に「漁港の肉子ちゃん」に出合ったんです。まだアニメにするって決めてなかったんですけど、ひょっとしたらアニメという可能性も…っていう考えがよぎって、「今度アニメの映画作るから、主役な」って冗談で言ったんです。

それから時間がたって、彼女も人前に出る仕事を始めてて、大竹さんが参加することは決まってたので、初めてでも大竹さんが引っ張ってくれるから大丈夫やと思って、監督に相談したら、「じゃあ、Cocomiちゃんの声を聞かせてもらいましょう」って言ってくれて、それで決まったんです。

ホントに声が優しくてね。大竹さんがCocomiちゃんに「これからいろいろ(声優の)お仕事があると思うから頑張ってね。良かったよ」って言ってて、花江(夏樹)さんも「声優としてもいけますよ」って言ってくれて本人喜んでました(笑)。

渡辺:お世辞じゃなくて、少女の持つ澄んだトーンと不安定さ、はかなさがあったので、芝居よりもそのままの感じを大事にした方がいいなって思いました。

さんま:芝居をするのも、大阪弁もアフレコも初めて。芝居を大竹さんが引っ張ってくれたら、イントネーションとかは僕と監督が頑張ればイケるって踏んだんですけど、「俺、よう起用したなぁ」って(笑)。考えてみたら、大竹さん、花江さんをはじめ、うまい人たちばかりですよ。この中でイケるか?って思ったりしましたけど、やればやるほどすごくなっていったので驚きました。

大竹:0号(試写)を家族みんなで見に来てくれたんだよね。

さんま:そう。おばあちゃんにしてみれば孫の活躍を早く見たいやろうし、妹もお姉ちゃんが頑張ってるのを見たいやろうし、両親は心配もしつつ楽しみにしてたやろうし。妹が台本を読んで、「これ、お姉ちゃんのままだね」って言うたらしいんですよ。きくりんはCocomiちゃんのような性格みたいで、それも正解やったのかなって。Cocomiちゃんを起用したことに関して、中には僕が木村(拓哉)と知り合いやから起用したんやないかって思ってる人もいると思うんですけど、作品を見ていただけたら、そういう理由じゃないっていうのが分かってもらえる出来になってるのでホッとしました。

――Cocomiさんが家族みんなで見たということですけど、いろんな世代の人が、それぞれの視点で見ることができる作品だと思いました。

大竹:家族、親子で見てもらいたいですね。実の親子でもキチンと言葉を交わさなかったり、つながりが希薄になってしまう時ってあると思うので、そういう時にこそ見てもらいたいです。

さんま:いいこと言うでしょう?(笑) うん、いろんな世代の人に見てもらいたいね。Cocomiちゃんのお父さんが「全国の小学校を回って、全校生徒に見せたいっすよね」って言ってくれたんですよ。僕もその考えに賛成で、キクコが小学5年生で、“生理”という言葉がこの作品に出てきます。迎えるものやし、ぶつかるものやけど、もっと爽やかに受け止めてくれたらいいなって思うんです。

僕は男ですけど、この作品の中でCocomiちゃんがしゃべった言葉がやらしく聞こえなかったので、これも正解やったかなと思います。小学校といえば、吉本興業の本社ってもともと学校の校舎なんですよ。それで、「小学生を招待して見せたらどうや?」って吉本に提案したら、「招待せずにお金は取りたい」って言いよったんです(笑)。できるかどうかはこれからの交渉次第ですね(笑)。


◆取材・文=田中隆信

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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劇場アニメ映画「漁港の肉子ちゃん」
6月11日(金)全国ロードショー

企画・プロデュース:明石家さんま 
出演:大竹しのぶ Cocomi 花江夏樹 中村育二 石井いづみ 山西惇 八十田勇一
下野紘 マツコ・デラックス 吉岡里帆 
原作:西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(幻冬舎文庫)
監督:渡辺歩
キャラクターデザイン・総作画監督:小西賢一
美術監督:木村真二
脚本: 大島里美 
音楽:村松崇継
主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」 作詞・作曲:吉田拓郎 編曲:武部聡志
サウンドプロデュース:GReeeeN (よしもとミュージック)
エンディングテーマ:GReeeeN「たけてん」(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:アスミック・エース
製作:吉本興業株式会社
(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
【公式サイト】http://29kochanmovie.com/

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