いま書いている小説の最後1ページがまだ仕上がらない連。その小説の主人公が好きになった女性は、咲のシチュエーションそのもの。連は「困るんだよね、ちゃんと決着つけてもらわないと。結末が書けないじゃん」と言った。
「今さら…戻れません」と返した咲に、連は「ふざけんな!」と原稿をたたきつけて怒りを見せた。
「俺は、あんたら2人を見ていて、こんなバカな2人はいないと思っていた。全然違う環境で育って、全然違う価値観で、バカみたいにぶつかり合って、裸の心を見せ合っていた。俺は、あんたたち2人に、本当の愛が、本当に存在するんだってこと、教えられた。見せつけられた、まざまざと。あの太陽みたいに、疑いようのない事実として、俺に、この俺に突きつけられたんだ」
小説家らしいせりふ回しもあったが、この言葉は視聴者が抱いてきた思いそのものでもあったのではないだろうか。
連は、紘一が咲にプレゼントした名前入りのペンを返し、「結末はあんたが決めて」と送り出した。紘一に会おうと決意した咲の背中に向かって、口パクで何かをつぶやきながら。
これまでクールだった連が熱くなった姿に驚きと感動を覚えつつ、口パクで何を言ったかが大いに気になり、SNSでもその予想が白熱。真相は視聴者に委ねられているが、最後は「緒原咲」と言っているように思えた。それは、紘一の名字で、連が紘一に宣戦布告したときの「“水口”咲」と対比になるのかもしれない。
口パクしたあと、ふっと見せた笑顔。白洲の柔らかな雰囲気が最大限に生きた場面だった。
(文=ザテレビジョンドラマ部)
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