<朗読劇『風の聲〜妖怪大戦争 外伝〜』特別対談>プロデューサー・水島裕×語り部・山寺宏一「朗読だから、できることがある」

2021/06/22 18:00 配信

映画 インタビュー

水島裕、山寺宏一※提供写真

水島:山寺さんに語り部を担当してもらいますが、蓋を開けてみたら思っていたよりも負担が大きくて、今、すごく申し訳なく思っています。語り部は朗読劇の軸となりますし、物語の世界観を作るのは語り部なんです。

山寺:普段だったらまず最初に台本などを全部チェックするタイプなんですけど、今回はプロデューサーを全面的に信用して決めましたので、台本をいただいたのがつい先日なんです。実は語り部が登場する朗読劇には出たことがありませんでした。僕自身、音楽朗読劇にはずっと携わっているのですが、「あ、そうか。朗読劇には語り部というものが存在して、今回、自分がそれなんだ!」と。

そして、「こんなにセリフがある! 大変だ!」と思っている状況です(笑)。さっき、裕さんが言ってたように、世界観を作るのも語り部なので、どういうふうにやっていくのかが重要になってきます。演出家と相談して、皆さんのセリフも聞いた上で、イメージを固めていこうと思ってます。

水島:山ちゃんのことは信頼してますから、語り部としてどうとか、そういう心配は全くしてません。ただ、セリフ量が多くて申し訳ないなって(笑)。

山寺:今は自分なりに“語り部”についていろいろ考えているところです。朗読劇を聴いている人には、語り部が説明しているという印象が強く残らないほうがいいのかなと思っていて。というのは、物語を楽しんでもらうということが第一です。話の流れの中で脳内にいろんな場面を思い浮かべてもらえればいいので、「この人が説明しています」「語り部が説明しています」というふうにならないようにしたいなと思っています。

――登場人物たちの会話の中に語り部のセリフが入る時のバランスとか。

山寺:そうですね。ラジオドラマと違って、舞台ですからお客さんも視覚も使うわけです。登場人物がセリフを話すと、お客さんもその人を見ますよね。例えば、親子の会話だったら、しゃべってる親と子供を交互に見ます。そこに語り部のセリフが入ると、ついついこっちを見ちゃいますよね。でも、「こっちは見なくていいので、親子2人を見ててください」という気持ちになるんじゃないかって。僕も衣装を着てステージ上にいますけど、あまり見なくていいです(笑)。声に耳は傾けていただきたいですけど。

水島:そのへんに関しては、演出の野坂さんの手腕に期待です!

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