運命に引き寄せられたのかなとも思いました
――しかし、オーディションに受かった後、撮影日程が合わなくなり、出演がダメになりかけたところ、監督の熱烈ラブコールによって出演が決まったとうかがいました。
本当にありがたかったです。撮影中にそのお話を聞いて、その時は(出身が)名古屋で良かった!って思いました(笑)。それから、監督と私の父親の小学校がたまたま一緒だったというご縁もあったりしたので、運命に引き寄せられたのかなとも思いました。父もすごいびっくりしてました。監督と父は1年しか学年が違わないので、同じ空気を吸ってたんだね!って。
――名古屋弁でのお芝居はいかがでしたか?
名古屋弁でのお芝居は初めてでしたが、すんなりできたと思います。ちゃんと方言指導の先生も現場にいたので、大丈夫ですか?と聞きつつのお芝居でしたが、スッとできました。きっと名古屋の空気がそうさせたんだと思います。
――映画の中で、岡崎さんの胸に最も残っているシーンを教えてください。
とても印象的だったのは、おそらく観た方の胸にも残るであろう、永瀬さんとオダギリさんが対峙するシーンです。永瀬さん演じる兄がアメリカから帰ってきて、自宅にいる弟と会うシーン。あのシーンはもう言葉にならないというか、物語の核となる部分であり、迫力が伝わってきて涙がポロポロ出てしまいました。
「お兄ちゃんには分からないよ」というセリフがありますが、弟の章人さんは兄弟が気付かないところでプレッシャーを感じて傷ついていた。でも、やさしさゆえに何も言い出せず…。
そういうことって、どんな関係性にもあり得ることですし、私自身も人知れずに誰かを傷つけていることがあるかもしれない。それはとても怖いことだと、一視聴者として感じました。しかも、それが家族の場合は切っても切れないものだからこそ重くなる。それをすごく物語っている映画で、ご覧になる方によって涙するシーンが全然違う作品ではないかと思います。