朝ドラは「純情きらり」(2006年度前期)、「とと姉ちゃん」(2016年度前期)に続き、「おかえりモネ」が3作目となる。西島の朝ドラの歴史を振り返ってみよう。
西島が初めて朝ドラに出演した「純情きらり」では、主人公・桜子(宮崎あおい※「崎」は「たつさき」)の姉(寺島しのぶ)の夫を演じた。
東北出身の画家で信念が強く、戦争時、協力を求められても応じず我が芸術道をゆく。
この自分の道をゆくところが曲者で、妻がいるにもかかわらず、主人公と芸術を通して特別な心を通わせていくのである。
そこは良心が咎める部分もあって、あくまで気持ちだけなのだが、芸術や人生のありようを共有することは何よりも深く、ある種罪深く、その背徳感がドラマを盛りに盛り上げた。
複雑な心模様を西島はみごとに演じたのである。ここでもまたじわじわと想いが伝播していった。
続いて「とと姉ちゃん」では主人公・常子(高畑充希)のお父さん役。真面目に働いてきたが、結核にかかって妻子を残して亡くなってしまう。
そのとき、常子に父代わりになるよう遺言を残したため、常子は生涯独身を貫き、妹たちを嫁に出し、家を建てるという家長の責任を全うしようと奮闘することになる。そんなつもりはなかったであろうが、娘の生き方を規定してしまったわけだ。
でも穏やかな善人のイメージを最後まで貫いた。出ていなくても、常子たち家族を見守るやさしい眼差しを感じるような存在感を前半で作り出していた。
三度目の朝ドラ「おかえりモネ」では主人公の仕事の面をリードする先輩的役割。
言ってみれば仕事の面での父のような存在である。今後、百音が気象予報士になって東京に出ると、百音を見守るのは朝岡の役割になるだろう。
前述のとおり、百音の父・耕治を演じている内野聖陽とは「きのう何食べた?」で息のあった共演をしている。
「おかえりモネ」ではまだ、耕治がテレビ画面越しに朝岡が天気予報を伝えている姿を見ている場面があるのみ。でもそのとき百音に「こういう人がタイプか」と聞いて、百音より自分のタイプであろうというツッコミを視聴者からはSNSでされていた(第16回)。
ぜひとも、どこかで、画面越しでなく直接共演してほしい。
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