本作で主人公オータムを演じた、シドニー・フラニガンは、本作で初めて演技をして映画出演を果たし、歌声も披露して喝采を浴び、全米の映画賞でブレイクスルー賞、女優賞を総なめにした。
シドニーが本作へ出演することになったのは、彼女が14歳の時にエリザ・ヒットマン監督のパートナーが撮影していた“Buffalo Juggalos”という作品のロケハンでヒットマン監督と出会い、フェイスブック上で友達になったことがきっかけだった。
「(エリザは)私が部屋で音楽を演奏している動画をフェイスブックで見て、私が20歳の時に『17歳の瞳に映る世界』のオーディションに来ないか、とメールをしてきました」エリザの目に止まり、映画のオーディションに誘われたシドニーだったが、シンガーソングライターである彼女は演技について「やりたいかどうかわからなかった」と明かす。
しかし、脚本を読み「私にとって、とても重要な物語 リアルで、誰にでも起こりそうな力強いシナリオ」と感じたシドニーは「自分に何ができるか確かめよう」と、監督からの誘いをチャンスと捉え、挑戦することを決意したという。
そんなシドニーも、初めての映画撮影の現場では心細く、気が弱くなっていたが「これこそがオータムが経験することなんだ」と感じ、妊娠をしたことを親にも相談できないまま、ペンシルベニアからニューヨークへ旅に出るオータムの、孤独や暗闇を体当たりで演じたのだった。